反転授業~Flipped Classroom

皆さんは”反転授業”というキーワードをお聞きになられたことはありますか?
自分は学生ではないので、関係のないワードだと感じられるかもしれません。
しかし、ビジネスマンや引退後の第二の人生にも生涯学習が求められている現在、”学ぶ”というのは何も学生の頃だけのものではなくなってきました。
私は2014年~2015年あたりに、士業向けの教育ビジネスに関わっており、当時、オープンソースのプログラムを色々とカスタマイズしておりました。

反転授業とは

では、そもそも、”反転授業”とはどういった意味なのでしょう。
「反転授業」とは、従来教室の中でおこなわれていた授業と、演習や課題など宿題として課される学習とを入れ替えた学習の様式です。

モダンな授業手法としては、生徒の能動的な授業参加を促す”アクティブラーニング”というのがありますが、「反転授業」はそれを、より積極的なアプローチ手法として取り込んだものです。
 

反転授業(Flipped Classroom)の発想



講師が行った授業を受講者が受講するといった形式。授業後には宿題があり、受講者は次回までに復習してくる。




一定レベルまで予習してくることを前提とし、当日の講義は講師と生徒、又は生徒同士がコミュニケーションを取りやすいアウトプット型授業となる。


当然、教師や講師は新しい授業の考え方を取り込む必要があります。
そして受講者は、新しい知識を学んだり、記憶したりすることは事前に行い、教室では知識を実際に活用することに重点を置くことで、一日に数時間しかない教室での時間をもっと有意義に使うことができるようになります。

反転授業を行う為には、教師・講師のスキルアップのほかに、「eラーニング」を積極的に活用することが重要となってきます。

eラーニングビジネスの歴史


2000年
eラーニング元年


2005年
個人情報保護法の制定を皮切りにeラーニングが増加


2011年
1,100億円市場へ成長。クラウドでの活用が主流となる


2013年
MOOCSの広がりからJMOOCが誕生。eラーニング環境のオープン化がスタート。


2016年
さらなる市場規模の拡大で2兆5,162億円の規模に



MOOCSとは?

「Massive open online course」の略で、巨大でオープンな教室という意味。インターネットで世界の有名大学の授業が無料で受講できる。

いつでもどこでも、学べるのが「eラーニング」

  「eラーニング」とは、上記のように受講者がクラウドやオンプレミスサーバー等にあらかじめ用意されたコンテンツを、「LMS(Learning Management System)」というアプリを通して学習するものです。私は以前、これらの制作・運用に関わっていました。
一般的な授業手法と比較して、その優位性は以下のようなものが挙げられます。

  1. 大規模も小規模も対応が可能

  2. 場所・時間の制約がない

  3. 個別学習の形態が取りやすい

  4. 生徒も講師もオープンに進捗確認できる

  5. テストが実施できる

教材を制作するという垣根

eラーニングを導入する為には、教材を制作するという垣根があります。
普段、どんなに多くの授業をこなしている方でも、いざ、それを教材にしてみようということになると、簡単ではないかと思います。
eラーニングの教材は、主に動画とプレゼンテーションの掛け合わせで制作します。

【動画教材制作の流れ】


STEP.1
シラバスの作成


STEP.2
教材資料(講座・テスト・アンケート等)の準備


STEP.3
シナリオ(音声・動画)の作成


STEP.4
動画の制作


STEP.5
配信準備・コンテンツのアップロード



ざっと考えただけでも、やらなければならないことが山積みです。
特に動画に関しては、例えば、弊社のような動画制作のノウハウを持っている事業者へアウトソーシングした方が得策かもしれません。

社内教育を反転授業にする

昨今、どんな業界においても、人材不足というワードが飛び交っておりますが、働く人が足りないというよりは、専門知識を持った方が足りていないといった状況かと思われます。次のように、理想と現実には乖離が発生してしまうことが多々あるでしょう。  

では、皆様の会社では社内教育をどのような形で行っていますか?

一般的には、決まった日時に決まった会場に集まってセミナーを受講する集合セミナーの形式がほとんどかと思います。
たとえば、その集合セミナーに、先ほどの反転授業を取り入れてみてはいかがでしょうか。
具体的には、読めば分かるものや聞けば分かるものは、事前にeラーニングで学習してもらい、集合セミナーでは、他者との相互作用や協働作業によって習得するものや、気付きが必要なスキルに集中してもらうといったことです。 

【集合セミナー開催の流れ】


STEP.1
セミナーの申し込み

eラーニングでアンケートを行い、事前に受講者の現状スキルを分析します。



STEP.2
受講証の発行

STEP.1の分析結果に準じた授業への参加を勧めるか、その方に合った授業をプランニングし、それに参加してもらいます。



STEP.3
集合セミナーの受講

できるだけ、アクティブラーニング形式のハンズオンセミナー等を実施します。



STEP.4
eラーニングで復習テストの実施

集合セミナー受講によるスキルアップ度合いを分析します。



STEP.5
学習ログの分析

学習ログから弱点を見つけ、再度セミナーを受講していただきます。




修了条件を満たすまで、このプロセスを繰り返し、最後にLMSから終了証を発行します。
たとえば、社内向けのオリジナル資格を企画して、それらの終了証を持っていることでコンピテンシー評価の基準にするのがお勧めです。

受講者、講師お互いのニーズの効率化という観点から、「授業に合わせて学ぶ」という考え方から、「学びに合わせて授業を変化させる」という考え方へシフトしていくことが、企業の大きな成長の糧となっていくと思います。

私たちは業務用AVシステムのマルチベンダーです

私たちは、多くの上場企業様のオフィスや会議室の業務用AVシステムを手掛けております。
また、それ以外に、様々なシチュエーションに合わせた動画コンテンツの制作、組織のモチベーションアップの為の社内イベント運営等を行っています。
LMSや授業収録システムの運用に関しては、システムをクラウドに置くのか、オンプレミスで使用したいのかなど、様々なご要件をお伺いし、お客様の業績アップに繋がるソリューションをご提案します。