屋外スピーカーの設置工事事例 2選!

屋外スピーカーの 設置工事の事例 2選


商業施設や公園、野外イベントで使用される「屋外スピーカー」。屋内と比べると、機器の設置には注意が必要です。
ここではそんなスピーカーの施工事例をご紹介します。

事例1:建物の屋上に設置した、屋外広告の音声を拡声したい

依頼内容

屋外ビジョン

施設担当者
施設担当者

建物の屋上に設置した屋外広告の音声を、建物周辺に拡声しています。

駅前の人が多く集まる場所にははっきりと音を届けたいのですが、近くには集合住宅もあるため、音量を調整したいです。

屋外広告の設置における注意点

屋外広告の設置は、地域によっては街の景観維持のため、条例で制限されている場合があります。
LEDビジョンや造作看板においても、設置する場合は事前に市区町村から出されている情報を確認し、申請が必要です。

一般社団法人・日本パブリックビューイング協会 大型ビジョン 設置/運営 Q&A より

公共施設等(学校・医療施設等)の近隣では行政許可が下りない場合があります。
都市の景観を害する、地域の特性にそぐわないなどの理由も同様です。
また地域によって映像内容の規制、放映時間の制限、音量制限、表示面cd値の制限が入る場合があります。(※1)

※1 出典:一般社団法人・日本パブリックビューイング協会

施工のポイント① 音声を届けたい場所にピンポイントで拡声する「指向性スピーカー」

当初、屋上には指向角度が広いスピーカーが設置されていました。指向角度が広いスピーカーから出される音は、四方に音が広がってしまいます。離れた場所に音を届けるためにはボリュームを上げなければなりません。

今回のケースも、駅前の人が集まる場所に音声を届けようとして、ボリュームが大きくなっていました。

広範囲に音が拡声

そこで音の指向角度をコントロールできる、屋外用のスピーカーをご提案しました。

指向角度を調整することで、対象の場所に向けて効率的に音を拡声できるようになります。
それにより、ボリュームを押さえても明瞭な音を届けることができるのです。

指向性スピーカーを利用

施工のポイント② 実際の聞こえ方を確認する「デモンストレーション」

取付工事を行う前に、実際の場所に提案したスピーカーを用意してデモンストレーションを行いました。

事前に聞こえ方を確認する機会を設けたことで、担当の方も安心して取付工事を任せていただきました。

デモンストレーションの実施

施工のポイント③ 屋上に設置する上での「安全性」の確保

スピーカーは建物の屋上に設置します。屋外に設置する機材は、雨風や日差しなどの自然環境により、ボルトのゆるみや土台や機材に亀裂が生じる可能性があります。

そのため安全面を配慮し、慎重に強度計算を行いました。その上で、屋上とスピーカーを固定するポールを特注で用意し、背面を固定しました。また、床面はコンクリートで、新たにアンカーボルトを埋めることができなかったため、既存のベースを利用して固定しました。

安全対策の必要性

事例2:ホテルのガーデンスペース(チャペル)で音楽を流したい

依頼内容

チャペル

ホテルの担当者
ホテルの担当者

挙式後にチャペル前のガーデンスペースでフラワーシャワーを行います。

そこにスピーカーを置き、音楽を流して雰囲気を盛り上げたいのですが…

施工のポイント① 「防水」は大前提。想定される故障の危険性は事前に排除!

スピーカーを屋外に常設する時には、防水機能は欠かせません。さらに防水機能のあるスピーカーを選定するだけでなく、設置位置や設置方法、配線も含めて考えられる危険性は排除しました。

今回は“地面(土の上)”にスピーカーを置くことになっていました。

屋外用スピーカーの中には床置用スタンド付の製品もありますが、今回は小型化を優先して機器を選んだため、スタンドは付いていません。
製品仕様としてはそのまま置いても問題無いのですが、不安が残ります。

スピーカーの水没

水たまりの危険性をはじめ、倒れて機械内に水が溜まってしまったりすることを防ぐため、スピーカーの足として木の杭を取り付けて地面から浮かせることに。

数々の施工経験から導き出した結論です。

スピーカーを水没から守る
さらに…

スピーカー本体までの配線も要注意。

新築工事の場合は地中に埋め込むのですが、今回は追加設置で、配線経路の上にすでにコンクリート舗装がされています。工期と費用を踏まえて考えると、地中に配線を埋め込むことは難しいのです。
そのため、防水を目的にケーブルへ二重にカバーを取り付けて厳重に保護しました。

施工のポイント② 会場の雰囲気を壊さない「外観」

チャペルとガーデンの雰囲気は壊したくありません。
スピーカーはお客様から見えない位置に置くため、チャペル内のバージンロードから外へ続く道の横にある、植え込みを活用しました。

会場の見た目を美しく保つため、スピーカーは植え込みの中に隠すことにしました。配線も同じく植込みの中を通しました。

その結果、担当者様のご要望通り、お客様から見えないようにすることに成功しました。

植え込みの中にスピーカー

また、植え込みの中に配線を通すため、木の手入れ時に誤って配線を傷つけてしまう可能性も考慮しました。
簡単には傷つかない素材でケーブルを二重に覆いました。ケーブルのカバーは防水のためだけではなく、傷つけないための保護も兼ねていたのです。

さらに…

今回は植え込みの中に設置するため、スピーカーの色は黒を選択。それ以外にも、花壇の色と合わせて「白」を選ぶことも多いです。さらに特注で好きな色の塗装を行うことも可能です。(※1)

※1 特注で塗装を行う場合は特別料金がかかります。また、メーカー製品保証外となることがございます。詳しくはご相談ください。

施工のポイント③ 周囲に音が漏れてしまわないよう「音の広がり(指向性)」に配慮

屋外にスピーカーを設置する場合、屋内と違って「どこまで音が届くのか」を考える必要があります。
特に建物が密集する場所では、近隣のビルや住居へ配慮が必要です。

今回の場合も、チャペルに近いバンケットやレストランにまで、音がもれないような配慮が求められました。

周囲に音が漏れて、うるさい状態

スピーカーの設置台数を増やすことで、音の広がりを軽減することにしました。

発信源を増やすことで、ひとつひとつのスピーカーの音量は小さくても、届けたい場所にはしっかりと聞こえる音を作り上げました。

音の広がりを軽減する
さらに…

今回は指向性(※2)の狭いスピーカーを選び、音の広がりを最小限に抑えました。

※2 指向性とは、音の広がる範囲のこと。スピーカーによって指向性の確度は異なります。

▼ 音の指向性について説明した記事はこちら


今回紹介した事例以外にも、私たちは様々な場所で音響設備の施工を行っております。

音・光・映像に関するお問い合わせは、電音エンジニアリングにご連絡下さい!

常設以外にも仮設スピーカーの提案も行っています

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