商談や社内会議で、いざWeb会議に参加したらハウリングが起きて困った経験はありませんか。
今回は簡単に出来る対応方法から、リアルとオンラインのハイブリット会議における解決策まで紹介します。
この記事の目次
そもそも「ハウリング」って、なに?
ハウリングのメカニズム
① マイクを通して音声が音響機器へ
② 音響機器を通って音声が増幅
③ スピーカーから出力
④ スピーカーから出た音を再度マイクが拾ってしまう!
⑤ 再度、音声が音響機器へ送られて・・・
⑥ 再度、増幅されて・・・
⑦ 再度、スピーカーから出力されて・・・
⑧ またその音をマイクが拾ってしまう!
このような音の悪循環(ループ現象)に陥り、特定の周波数が増幅された結果、「キーン」という不快音が響き渡るようになります。
その現象を「ハウリング」といいます。
「ハウリング」の事を専門業者は「音が回っている」 という事もあります。仕組みがわかると、その方がピンとくるかもしれません。
Web会議でよくあるトラブル
Web会議でハウリングが起こるシーンとして多いのは、同じ場所で、同じWeb会議に複数人が同時に参加する場合です。
パソコンのマイクが近くのパソコンから出力される音を拾うと、ハウリングが起こってしまいます。
解決策:「音が回りにくい」環境を作る
ごく当たり前の事にも聞こえそうですがとても重要です。
マイクやスピーカーの音量バランスをコントロールすることにより、「音が回りにくい」環境を作ることが必要です。
具体的な対策例
・イヤホンマイクを使う
・発言時以外はマイクをミュートにする
・同じ部屋・場所では参加しない
・Web会議用マイクスピーカーを使う
(エコーキャンセラー機能があるものがおすすめ)
パソコンに内蔵されているマイクはほとんどが「無指向性」です。
同時使用の場合には、隣りのパソコンから出力される音も簡単に拾ってしまうため、ハウリングの原因となります。
マイクの指向性とは、どの方向から音を集音するかを指します。
例えばハンドマイクは正面からの集音感度が高くなっていますが、パソコンに内蔵されているマイクは360度から音を拾う「無指向性」がほとんどです。
リアルとオンラインのハイブリット会議の場合
コロナ禍では、外出もままならず会議やミーティングはオンラインだけで運営・開催するのが主流でした。
しかし最近では、実際に会場(会議室やホール)に一部の参加者を集めつつ、それ以外の方はオンラインで参加するという、ハイブリッド会議がトレンドになっています。
そこで必要となるのが「オンライン参加者の音声を、実際の会場に拡声すること」ですが、いざ会議を運営しようとすると「ハウリング」が起きてしまうことがあります。
「ハイブリット会議」におけるハウリングのメカニズム
① リモート先の音声を会議会場に拡声するため、ホストPCの音声出力から音響機器へ
② 音響機器を通って音声が増幅、スピーカーから出力
③ その音をマイクが拾ってしまう!
④ 再度、マイクで拾ったリモート先の音声が音響機器を通ってホストPCへ・・・
さらに、
⑤ オンラインでリモート先には自分の音声が戻ってきてしまい音声がループしてハウリングが発生
⑥ リモート先PCからまたホストPCへ・・・
という現象が起こってしまいます。
特に⑤はオンライン上のため、ハウリングした音がはっきりとリモート先へ伝わってしまいます。
解決策:音の流れの悪循環を断つ「マイナスワン」回線
ハイブリット会議で起こるハウリングの解決策は複数ありますが、その中でも代表的な例をご紹介します。
音のループを断ち切るためには「N-1(エヌマイナスワン)」という操作をします。
通称「マイナスワン」とも呼ばれ、特定の音声を抜いた(マイナスした)回線の事を表します。
ハイブリット会議の場合、オンライン会議上のリモート先の音声だけをマイナスしてホストPCに戻します。
これは会場音声とは別に出力できる専用ミキサーを使うことで、特定の音声(強烈なハウリングが発生する回線)だけを除外します。
それにより音の連鎖を断ち、快聴な音声だけをオンライン会議上に送信します。
なお「マイナスワン」を行うためには、専用の機材や細かい設定できるオペレーターなどが必要になってきます。
その他の調整方法
・スピーカーの向きを変える
・指向性のあるマイクを使う
など、それぞれ微調整を行うことにより「ハウリング」を防ぎます。
「Web会議」における「ハウリング」とは、一筋縄ではいかなく、当社へのご相談は多数ございます。
・現在の会議室の環境で、今後の運営に不安がある。
・お客様ご自身での設営は難しい。
そんな時は、ぜひ、電音エンジニアリングにお任せください。
最適なシステムで、快適な運営のできるご提案をいたします。