ハウリングとは?原因と対策をわかりやすく解説|マイク・Web会議の音声トラブル防止策

オンライン会議のハウリングの直し方


ハウリングとは、マイクが拾った音をスピーカーから出力し、その音を再びマイクが拾うことで発生する音声トラブルです。

Web会議や講義、イベントなど、マイクとスピーカーを同じ空間で使用する場面では、機器の配置や音量設定によって「キーン」といった音が発生することがあります。

この記事では、ハウリングが起こる仕組みや主な原因Web会議・講義・イベントなど用途別の対策を解説します。

ハウリングとは?

マイクで拾った音は、アンプなどの音響機器を通してスピーカーから出力されます。

このスピーカーの音を再びマイクが拾うと、同じ音がマイク→スピーカー→マイクと繰り返し循環します。
音のループが繰り返されることで特定の周波数の音が増幅され、「キーン」「ピー」といった大きな音が発生するのがハウリングの仕組みです。

これは音響用語で「フィードバック」とも呼ばれ、特別な機材トラブルがなくても、マイクとスピーカーが同じ空間にあるだけで起こる可能性があります。
Web会議、講義、会議、イベントなど、マイクを使うあらゆる場面で注意が必要な現象です。

ハウリングが起こる仕組み(音のループ)

ハウリングが起こる主な原因

ハウリングはひとつの原因だけで発生するとは限りません。
マイクやスピーカーの配置、音量、会場環境など、複数の要因が重なることで起こる場合があります。

マイクとスピーカーの距離が近い

スタジオ事例マイクとブルーバック

スピーカーから出た音をマイクが拾いやすい位置関係になると、音が繰り返し循環し、ハウリングが発生しやすくなります。

マイクをスピーカーから離すスピーカーの正面にマイクを置かないなど、配置を見直すことで改善する場合があります。

スピーカーの音量が大きい

京都TECH8階スピーカー

スピーカーの音量を必要以上に上げると、その音をマイクが拾いやすくなります。

会場全体に聞こえる音量を確保しながら、音量を上げ過ぎないよう調整することが重要です。

マイクの指向性

マイク部分

マイクには、特定の方向からの音を拾いやすい「単一指向性」や、周囲の音を広く拾う「無指向性」など、さまざまな特性があります。
周囲の音を広く拾うタイプのマイクでは、スピーカーから出た音も拾いやすくなる場合があります。

使用する環境に合わせてマイクの種類や向きを確認することも、ハウリング対策のひとつです。

複数のマイク・スピーカーを使用している

会議室のリクエストマイク

会議やイベントで複数のマイクやスピーカーを使用すると、それぞれの位置関係や音量設定によって音が回り込みやすくなる場合があります。

使用していないマイクの音量を下げるなど、必要な機器だけを適切な状態で使用することも重要です。

会場の反響

120インチスクリーンを2面そなえた大会議室

壁や床、天井などで音が反射しやすい空間では、スピーカーから出た音がマイクへ戻りやすくなります。

機器の配置や設定だけでなく、会場そのものの音響特性がハウリングに影響することもあります。

マイクでハウリングが起こりやすいケース

会議室や教室、Web会議では、機器の使い方によってハウリングが起こりやすくなるケースがあります。
特に、スピーカーの正面や近くにマイクを置いている場合や、同じ空間から複数台のパソコンでWeb会議に参加している場合は注意が必要です。

・パソコンやタブレットの内蔵マイクとスピーカーを同時に使用している
・マイクとスピーカーが同じ方向を向いている
・スピーカーのすぐ近くにマイクを置いている
・同じ空間で複数の端末、マイクが稼働している

マイクとスピーカーの距離や向きを見直すだけでも、ハウリングを抑えられることがあります。

「キーン」というハウリングではなく、ノイズや音切れが起きている場合

ワイヤレスマイクの混信やノイズ、音切れ、バリバリ・ブツブツとした音が発生する原因と対策はこちらで解説しています。

Web会議でハウリングが起こる原因と対策

Web会議では、同じ部屋で複数台のパソコンやタブレットを使用すると、端末のスピーカーから出た音声を別の端末のマイクが拾い、ハウリングやエコーが発生することがあります。

同じ空間から複数人がWeb会議へ参加する場合は、使用するマイク・スピーカーを1台にまとめる不要な端末のマイクやスピーカーをミュートするなど、以下のような対策が有効です。

・使用するマイク・スピーカーを1台にまとめる
・不要な端末のマイク・スピーカーをミュートする
・イヤホンマイクやヘッドセットを使用する
・同じ空間から複数台で参加する場合は、音声を使用する端末を限定する
・Web会議ツールのエコーキャンセル機能を活用する

これらの対策によって、Web会議中のハウリングやエコーを抑えられる場合があります。

Web会議で使うマイク・スピーカーを見直したい方へ

Web会議用マイクスピーカーの集音性能やエコー・ノイズ対策など、実際に使用して分かった特徴をご紹介しています。

講義・会議・イベントでのハウリング対策

講義や会議、イベントでは、参加人数や使用するマイク・スピーカーが増えるほど、音の回り込みや設定の影響を受けやすくなります。

ハウリングを防ぐためには、マイクとスピーカーの配置使用するマイクの本数音量設定などを事前に確認しておくことが重要です。

・スピーカーとマイクの配置を適切に設計する
・指向性のあるマイクを使用する
・ハイブリッド会議では必要に応じて「N-1」処理を行い、特定の音声を返さない構成にする
・会場規模に合った音響機材を選定する

会場が広い場合や複数のスピーカーを使用する場合は、会場全体の音響バランスを確認しながら調整する必要があります。

設定だけでは解決できないハウリングもある

少人数のWeb会議では、機器の配置や設定変更で改善することがあります。
一方、大規模な会議や講義、イベントでは、会場の反響やマイク・スピーカーの配置、音響システム全体の構成が原因となり、設定変更だけでは解決できない場合があります。

繰り返しハウリングが起こる場合は、本番直前に対処するのではなく、事前に音響環境そのものを確認することが重要です。

ハウリングが繰り返し発生している場合は、音響環境から確認できます

マイクやスピーカーの位置・音量を調整しても改善しない場合は、会場の反響や機器構成、アンテナ・スピーカーの配置など、音響設備全体が影響していることがあります。
現在の設備や利用環境を確認し、原因の切り分けから機器の調整・更新まで対応します。

音響設備全体を見直した事例

マイクやスピーカーなど既存の音響・映像機器を更新し、Web会議にも対応できる大会議室のシステムを構築した事例をご紹介しています。

リアルとオンラインを組み合わせたハイブリッド会議の場合

ハイブリッド会議では、オンライン参加者の音声を会場内のスピーカーから出力しながら、会場側の音声もオンラインへ送信します。

この音声の流れを適切に分けていないと、スピーカーから出たオンライン参加者の音声を会場のマイクが拾い、その音声が再びオンライン側へ返ることで、エコーやハウリングが発生することがあります。

単純にマイクとスピーカーの距離を離すだけでは解決できない場合もあるため、会場側とオンライン側の音声を適切に制御する必要があります。

ハイブリッド会議でのハウリングのメカニズム

ハイブリッド会議でハウリングが起こる流れは、次のような音声の循環が原因です。
特に⑤はオンライン上のため、ハウリングした音がはっきりとリモート先へ伝わってしまいます。

解決策:音声のループを防ぐ「N-1(エヌマイナスワン)」

N-1(エヌマイナスワン)は、特定の音声を送り返さないように制御する音声処理です。

ハイブリッド会議では、オンライン側から受け取った音声を再びオンライン側へ返さないようにすることで、音声のループを防ぎます。
例えば、会場マイクの音声はオンライン側へ送り、オンライン側から受け取った音声は会場スピーカーへ出力します。一方で、オンライン側の音声そのものはオンライン側へ送り返しません。

このように会場音声とオンライン音声を分けて制御することで、ハウリングやエコーが発生しやすい経路を遮断できます。
こうした制御には、N-1に対応したミキサーなどの音響機器と、会場の構成に合わせた適切な設定が必要です。

音響トラブルの原因と対策をまとめて確認したい方へ

ハウリングをはじめ、マイクやスピーカーで起こりやすい音響トラブルと、確認しておきたいポイントをまとめたガイドをご用意しています。

ハウリング・音響設備のトラブルについて

ハウリングは、マイクやスピーカーの配置、音量設定、会場の反響、音響システムの構成など、複数の要因によって発生します。
簡単な設定変更で改善する場合もありますが、会議室や講義室、イベント会場などで繰り返し発生する場合は、音響設備全体の確認が必要です。

電音エンジニアリングでは、マイク・スピーカーの選定や配置、既存設備の調整・更新、Web会議やハイブリッド会議の音響システム構築まで対応しています。

「原因が分からない」「重要な会議やイベントでハウリングを防ぎたい」「現在の音響設備を見直したい」といった段階からご相談いただけます。