プレゼンが伝わる!業務用プロジェクターの選び方

ビジネスプロジェクター選びのポイント


ビジネスとホームシアターでプロジェクターは異なる

ビジネスプロジェクター選び3つの基準

プロジェクターには大きく分けて2つの用途があります。
ひとつはホームシアターなどの家庭向け、もうひとつは会議室やホールなどのビジネス向けです。それぞれの用途によって目的が異なる為、選び方も大きく異なってきます。
たとえば、ホームシアター向けでは画質にこだわった4Kモデルや3D対応モデル、手軽に壁に投影して楽しむコンパクトモデルに人気があります。最近ではAIシステムを搭載したLED照明型も販売されています。
一方、ビジネス向けでは設置する場所によって用途が異なる為、特に「使用する場所」、「映したいコンテンツ」、「設置方法」などを基準に選ぶ必要があります。
ここでは、ビジネス向けを中心にプロジェクターの選び方をご紹介します。

プロジェクター選び3つの基準

使用する場所で選ぶ


コンテンツで選ぶ

設置方法で選ぶ

使用する場所で選ぶ

ロケーション別のおすすめプロジェクター

部署内、コアメンバーのみなど、小会議室やオープンスペースでの打合せに活用するタイプをお勧めします。

参考のプロジェクタースペック

明るさ目安~3,500ルーメン未満

推奨スクリーンサイズ~60インチ

最高50人程度の中規模会議室で、照明をつけたままでも明るい映像を投影できるタイプのプロジェクターをお勧めします。

参考のプロジェクタースペック

明るさ目安3,500~5,000ルーメン

推奨スクリーンサイズ60~100インチ


50~100人程度の大会議室で、照明をつけたままでも明るい大画面映像を投影できるタイプをお勧めします。

参考のプロジェクタースペック

明るさ目安5,000~7,000ルーメン

推奨スクリーンサイズ80~120インチ


100人以上収容できるホールや講堂、イベントホールや、ウエディング会場などに合ったタイプをお勧めします。

参考のプロジェクタースペック

明るさ目安6,000ルーメン以上

推奨スクリーンサイズ120インチ以上

コンテンツで選ぶ

コンテンツ別おすすめプロジェクター

主に中規模ミーティングやプレゼンテーションに使用するスタンダードタイプをお勧めします。

参考のプロジェクタースペック

明るさ目安:3,500~5,000ルーメン

推奨スクリーンサイズ:100インチ以上

※会場の広さによって調整が必要です。

壁や床に投影するなど、主に空間演出に使用するタイプをお勧めします。

参考のプロジェクタースペック

明るさ目安:1,000~3,000ルーメン

対象物:壁、天井など

スポットライトタイプのプロジェクターもあり

※会場のロケーションや広さによって調整が必要です。

4Kなどの高画質映像で、リアルに臨場感を伝える為の、高画質モデルをお勧めします。

参考のプロジェクタースペック

明るさ目安:5,000ルーメン以上

推奨スクリーンサイズ:100インチ以上

設置方法で選ぶ

設置場所別おすすめプロジェクター

最もスタンダードな設置方法です。メンテナンスに手間がかかる為、水銀ランプ光源ではなく、レーザー光源タイプをお勧めします。

会議室や教室の卓上に置いて投写します。持ち運んでの使用に便利です。また、キャスター付きの台座で卓下へ設置する方法も手軽です。

スクリーンから約1m超えぐらいの距離に設置して100インチクラスの投影ができる短焦点/超短焦点モデルをお勧めします。狭いスペースのほか、映り込みを防げるなどの用途で使用されます。


出先など、いつでもどこでも手軽に映像を投影したい方へ、手のひらサイズのミニプロジェクターがお勧めです。バッテリー内蔵タイプもあります。

天井に収納するため、プロジェクター未使用時でも、施設の外観を損ないません。

プロジェクターを壁面などへ隠ぺい工事する方法です。プロジェクター未使用時でも、施設の外観を損ないません。

プロジェクター投影方式による違い

投影方式の種類

我々がお勧めしているプロジェクター投影方式は大きく分けて3種類あります。
プロジェクターはパネル上に作られた映像をレンズを通して拡大し、大画面スクリーンへ投影します。そのため、映像のクオリティーを高めるうえで、使用用途に合ったパネルを選ぶことが重要です。現時点では、 「LCD透過型液晶パネル」、 「DLPパネル(3チップ)」、「DLPパネル(1チップ)」の3種類が主流です。

  • LCD方式(透過型液晶)

  • DLP方式(3チップ)

  • DLP方式(1チップ)

プロジェクタータイプ別比較

LCD方式(透過型液晶)DLP方式(3チップ)DLP方式(1チップ)
特徴
  • 液晶パネルを利用するタイプ。

  • 3つの液晶に三原色である「赤」「緑」「青」の3色を当てて、透過した映像をプロジェクター内で合成して、1組のレンズから投写する。

  • マイクロミラー反射型パネル(DMD「デジタルミラーデバイス」)に光を当てて、反射した映像を投写するタイプ。

  • RGBにそれぞれ1つ、合計3つのDMDを使用します。

  • マイクロミラー反射型パネル(DMD「デジタルミラーデバイス」)に光を当てて、反射した映像を投写するタイプ。

  • RGBのLEDを高速で切り替えてカラー映像を投写します。

メリット
  • 扱いやすく、コスパが高い。白輝度と色輝度の差がなく、カラーデータの投影に適している。

  • 光量のロスが少なく、高輝度で明るい映像が表現でき、黒の再現性が高い。

  • 起動・終了が早い。

  • 時間経過による画像の劣化が少ない(寿命が長い)。

  • ランプ交換のみで長期にわたり高画質を保持できるうえ、エアフィルターが不要な構造でメンテナンス負荷を軽減できる。

  • RGB各色ごとにDLPチップが用意されているため、より明るく解像度の高い高精細な映像を投射できる。

  • 部品点数が少なく、本体の小型・軽量化が可能。

  • かばんで持ち歩けるタイプやポケットタイプなど、バリエーションが豊富。

デメリット
  • 画質や解像度はあまり高くない。

  • 反応速度が遅く、残像が出やすい。

  • DLPに比べると液晶パネルの寿命が短い。

  • 比較的高価でモデル数が少なく、選択肢が少ない。

  • 同じ色を再現するためには明るさを上げる必要がある。

  • 3チップと比較して、彩度が良くない。

  • カラーブレイキングノイズが出る。(動きが早いシーンや字幕などで、残像が感知される)

解像度の基礎知識

解像度とは画像のドット(点)の数をいいます

プロジェクターやディスプレイに表⽰される画像・映像は、⼩さな光の点(ドット)でできています。この点の数を「横×縦」で表したものを解像度と呼んでいます。この解像度の値が⾼ければ⾼いほど、画⾯によりたくさんの情報を表⽰できる為、画像・映像上のドットが⾒えにくくなり、
美しく滑らかになります。

コンテンツとプロジェクターの解像度

いくら解像度の⾼いプロジェクターを選んでも、接続する機器の解像度が低いと、美しい映像を投影することができません。接続する機器や投影データの解像度と、プロジェクターの解像度を近いものにすることで、最適な映像を投影することができます。映像には横:縦の⽐率が4:3の物と、16:9⼜は16:10の物がありますが、互いに対応している解像度が異なります。プロジェクターの解像度にあわせて、投影するスクリーンの縦横⽐を選ぶ必要があります。参考に以下は、解像度の違いによるサイズ⽐較となります。




明るさの基礎知識

プロジェクターの明るさは「lm(ルーメン)」という単位で表記されています

プロジェクターでは、明るさ(輝度)の単位として、「lm(ルーメン)」が⽤いられています。ルーメンはその値が⾼ければ⾼いほど、明るくなります。投影するスクリーンや、空間の規模が⼤きくなるほど、ルーメン値が⾼いプロジェクターが必要です。そのうえ、プロジェクターの光は、外光や照明の影響を⼤きく受けます。まずは、プロジェクターを使⽤する場所の広さと照明をどこまで落とせるかということを調査しておく必要があります。

スクリーンサイズと明るさの関係

スクリーンのサイズが⼤きくなるほど映像は暗くなります。スクリーンサイズが2倍になると、投影する⾯積は4倍となり、明るさが4分の1になる為です。また、スクリーンサイズを3倍にすると、⾯積は9倍になるので、明るさは9分の1になります。従って、スクリーンを⼤きくしても映像の明るさを⼀定に保つ為には、よりルーメン値の⾼い(明るい)プロジェクターが必要になります。
例えば、4,000lmのプロジェクターで100インチスクリーンを使⽤している施設が120インチで同じ明るさを得るには、5,700lm(4,000lmの約1.44倍)のルーメン値が必要となり、逆に80インチなら2,500lm(約0.64倍)のルーメン値で⾜りることになります。

スクリーンサイズの基礎知識

スクリーンサイズの⽬安

プロジェクターを使⽤する場所へどのくらいのサイズのスクリーンを置けばいいのか、悩ましいところです。単純に好みや迫⼒で選ぶ⽅法もありますが、スクリーンサイズによって、投影距離や必要な明るさは異なってきます。

縦横比
/サイズ
40
インチ
60
インチ
80
インチ
100
インチ
120
インチ
140
インチ
160
インチ
180
インチ
200
インチ
4:380×61122×91163×122203×152244×183285×213325×244366×274406×305
16:989×50133×75177×100221×125266×149310×174354×199398×224443×249
16:1086×54129×80172×108215×135258×162302×188345×215388×242431×269

スクリーンの⾼さ・距離

スクリーンのアンダーを⼈の座⾼より⾼く設置すると、投影した映像が⾒やすいと⾔われています。これを基準にすると、床から天井までの⾼さから約1,200mm程を引くと、よりベストなスクリーンの⾼さを確保することができます。また、視聴距離(スクリーンから視聴位置までの距離)は、投影した映像が⾒やすい最適な視聴距離「下図①スクリーンの⾼さの約3倍」がお勧めと⾔われています。⼀⽅、座席数が多くて視聴位置を定めにくいときは、施設の奥⾏きを基準にするのがお勧めです。⼀般的に「下図②施設の奥⾏きの1/4〜1/5の⻑さ」が最適値と⾔われています。

スクリーンサイズの基礎知識

⽤途別のスクリーンの距離

  1. スクリーンの⾼さの4倍までの距離
    カンファレンスルームなどで、Excelのような細かなフォントデータを利⽤し、データ分析や評価をするような場⾯で最適な視認距離範囲です。

  2. スクリーンの⾼さの6倍までの距離
    トレーニングルームなどでプレゼンテーションやマルチメディアコンテンツなどの詳細イメージは不要で、⼤きめのサイズのフォントを使⽤して評価・決断するような場⾯で最適な視認距離範囲です。

  3. スクリーンの⾼さの8倍までの距離
    テレビ会議など、画⾯全体の把握ができれば⼗分な、1対多数に向けてプレゼンテーションする場⾯で最適な視認距離範囲です。スクリーンの⾼さの8倍を超える距離での視聴はあまりお勧めしません。


Q&A~よくある質問

スペースが少ない場所でもプロジェクターを使う方法はありますか?

別売の天吊り金具を使い、プロジェクターを裏返しにして天井へ固定するのがお勧めです。ほとんどのプロジェクターは映像を逆さにして投写する機能を備えています。

部屋は真っ暗にする必要がありますか?

ビジネスプロジェクターは輝度が高いので、家庭用ほど暗くしなくても利用できます。ご不安な場合、一度デモ機で試してみる方が良いでしょう。

家庭用プロジェクターとビジネスプロジェクターは何が違うのでしょうか?

家庭では映画館のように部屋を暗くして使うのが一般的で、明るさよりも高画質であることが重要です。一方、会議やプレゼンテーションでは、メモをとったり手元の資料を見ることも多く、ある程度明るい場所で使うことが必須です。また、ビジネス用途では美しい映像を鑑賞する機会は少なく、スライドなどの資料が見やすいということが優先事項となるでしょう。

プロジェクターのランプはどのくらいの頻度で交換しなければならないのですか?

毎日2時間映しても約1,000日(2,000時間程度)持ちます。ランプの価格は3万円前後が多く、高い天井に吊っていなければ、自分で交換することも可能です。節電モードを利用する場合は6000~1万時間くらい持つモデルもあります。特にランプ交換が困難な場所では、レーザー光源がお勧めです。レーザー光源なら約20,000時間と10倍の長寿命で、メンテナンスを極力減らすことができます。消費電力も20~30%少ない物が多いです。

用途に合わせて様々な環境を構築するシステムインテグレーターです

モバイルデバイスをワイヤレス接続できるプロジェクターも登場

超小型タイプやAI内蔵型など、様々な新しいプロジェクターがありますが、スマホやタブレットからWi-Fi接続できるタイプもあります。たとえば、エプソンのアプリ「Epson iProjection(for Android™/iOS)」は、エプソンのプロジェクターにiOSやAndroid™のスマートフォン・タブレットの写真やファイル、Webサイトを投写することができます。無線LAN対応をしているエプソンのプロジェクターと接続して、簡単にプレゼンテーションや写真・書類の共有ができます。


また、音響設備が用意できない場所なら、Bluetooth®対応のプロジェクターを選び、対応のヘッドホンやアクティブスピーカーから音を出力することも可能です。これらの機能を搭載した機種を選べば、プロジェクターは電源ケーブルを接続するだけでお手軽に使用できますね。

▼空間演出用プロジェクターも取り扱っております。

私たちは映像・音響環境ごと構築します

当社は大手企業や外資系企業など、これまで多くの会議室AV機器環境を構築して参りました。その経験や知見を活かして、既製品のシステムインテグレートはもちろんのこと、必要であればお客様の要件に合わせたタッチパネルコントロールシステムの構築も承っております。

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