入社式の企画ガイド|マンネリを脱却する実務アイデア

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毎年恒例の入社式。「今年も同じような内容になってしまった」「新入社員にもっと印象に残る体験をしてもらいたい」と感じている人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、入社式のマンネリ化に悩む人事担当者向けに、記憶に残る入社式の企画アイデアから運営のポイントまで、わかりやすくご紹介します。

【この記事で解決できるお悩み】

・マンネリ化した入社式を、新入社員の記憶に残るイベントにしたい
・ユニークで参加型のおもしろい企画アイデアが知りたい
・オンラインでも一体感を醸成する演出のコツが知りたい
・企画から運営までの具体的な手順と注意点を押さえたい

入社式とは?

まずは改めて、“入社式とは何のために行うのか”を整理してみましょう。目的を振り返ることで、企画や運営において大切にすべきポイントがより明確になります。

入社式の目的

新年度を迎える企業にとって、入社式は新入社員を迎え入れる重要な節目となる行事です。一般的に入社式は主に下記3つの目的で開催されています。

  • ・組織の一員としての意識づけ
    学生から社会人への意識転換を促し、責任感ある組織人としての自覚を芽生えてもらうため。
  • ・企業理念・方針の浸透
    会社の価値観や経営方針、今後のビジョンを伝えるため。
  • ・社員間の交流促進
    新入社員同士だけでなく、先輩社員との交流機会。

準備期間と当日の一般的な流れ

入社式の準備は通常3か月前から本格的に開始されます。2〜3か月前に会場確保や式次第の検討を行い、1か月前には詳細なスケジュール調整と必要物品の手配を完了させます。1週間前には最終確認とリハーサルを実施し、前日には会場設営や資料の最終準備を行います。

当日の一般的な流れは、まず社長挨拶から始まります。ここで会社の歴史や理念、新入社員への期待が語られます。続いて辞令交付が行われ、正式な雇用関係の開始を確認します。その後、新入社員挨拶で一人ひとりが決意表明を行い、最後に入社を記念した記念撮影を行います。全体で1〜2時間程度の構成が一般的です。

リアル開催とオンライン開催の違いとポイント

近年、働き方の多様化やコスト削減の観点から、オンライン入社式を選択する企業も増えています。

項目リアル開催オンライン開催ハイブリッド開催
一体感 /
臨場感

強い一体感が生まれる

画面越しで臨場感に欠ける

リアルの空気間を共有しつつオンライン併用
交流
直接交流で絆が深まる

雑談や自然な交流は難しい

交流は可能だがオンライン参加者向け施策が必須
コスト
会場・交通費など高額

コスト削減可能

機材・会場・人員などコスト高
準備負担
会場手配・人員調整が大変

比較的短期間で準備可能

リアル+オンライン準備で負担増
記憶/
振り返り

写真や映像で残せる

映像保存が用意

リアル映像+配信録画が可能

なぜ入社式の企画に悩むのか?よくある課題

毎年似たような流れでマンネリ化

前述のとおり、入社式の定番の流れは、「社長あいさつ → 辞令交付 → 新入社員代表挨拶」といった受け身中心の式典です。結果として参加している新入社員の印象に残りにくく、モチベーションを十分に引き出せないことがあります。
入社直後の意欲形成は、その後の定着率や成長スピードに直結するため、能動的に参加できる仕掛けが求められます。

準備・運営の負担の大きさ

入社式の準備には日程調整・会場手配・資料作成・内定者への連絡など多岐にわたる業務があります。限られた人員で進めるため、通常業務と並行して残業や休日対応が増えるケースも少なくありません。
さらに経営層からの承認や予算確保も大きな負担です。当日は進行に不慣れな担当者が運営を担うこともあり、トラブル対応に追われて想定通り進まないリスクも抱えています。

経営メッセージの届け方

入社式は、新入社員に対して「経営方針」や「企業理念」を改めて伝える大切な場です。しかし一方的な挨拶だけでは緊張している新入社員に届きにくく、「形式的な話」として受け止められてしまう場合も少なくありません。具体性に欠ける説明ではイメージが伝わりづらいため、いかに記憶に残る形でメッセージを届けるかが重要です。

成功する入社式運営と印象に残るアイデア

入社式運営の3つのポイント

入社式を成功させるための鍵は、事前の計画から当日の進行、式典後のフォローまで一貫した運営です。以下の3つのポイントを押さえることで、より効果的で印象的な入社式を実現できます。

事前準備の徹底

成功の鍵は準備段階にあります。新入社員の人数や会場の特性を踏まえ、3か月前から準備スケジュールを組み立てることが重要です。特に映像制作や特殊演出には時間を要するため、早めの着手が必要です。

当日の進行管理

タイムスケジュールの共有とリハーサルの実施で、当日のトラブルを最小限に抑えます。司会者との入念な打ち合わせと、緊急時の対応策準備も欠かせません。

フォローアップ体制

式典後のアンケート実施や、撮影した写真・映像の共有で、入社式の効果を持続させます。新入社員からの感想を次年度の企画に活かすサイクルを構築することが重要です。

印象に残る入社式のアイデア

運営の基本を押さえた上で、より強い印象を残すには演出や参加型コンテンツが効果的です。以下のような工夫を取り入れることで、新入社員にとって忘れられない1日を演出できます。

会場到着時の「特別感」演出で期待値を高める

◆レッドカーペット
新入社員が会場に到着した瞬間から特別感を演出することで、開式前から期待値を高めることができます。エントランスにからレッドカーペットを敷き、その上を歩いての登場や、BGMで会場全体の雰囲気を作り上げ、会場に入場する瞬間から、気持ちを盛り上げます。

◆ARフォトフレーム
企業ロゴをあしらったフォトスポットを設置すれば、新入社員同士の自然なコミュニケーションが生まれ、SNS投稿による採用ブランディング効果も期待できます。

▼SNS投稿が期待できる「ARフォトフレーム

その演出、ARでもっと効果的に!今すぐ試せるイベント施策まとめ

オープニング演出で一気にボルテージを最高潮に

プロジェクションマッピングによる没入体験
開式と同時に会場全体を暗転させ、会場の壁に企業の世界観を投影する、プロジェクションマッピングを実施。新入社員が企業の歴史や未来ビジョンの中に「入り込む」感覚を演出できます。

スモーク&ライト効果との連動演出
スモークマシンとLED照明を連動させることで、光の筋が浮かび上がり、会場全体を幻想的かつ華やかな空間に変えることができます。
例えば企業理念が「挑戦」であれば、山頂を目指す映像シーンに合わせて霧を発生させ、頂上到達と同時に強烈な光で会場を照らす、といった演出も可能です。視覚・聴覚に加え、霧や風の流れを体で感じる触覚にも訴えかけ、強い印象を残せます。

▼スモーク&ライトで華やかな空間に

事例紹介|セルリアンタワー東急ホテル バンケットショーケース

立体音響による圧倒的臨場感
通常のスピーカーではなく、会場全体に配置された立体音響システムを使用します。音が頭上を移動したり、足元から湧き上がったりすることで、映像と完全にシンクロした音響体験が可能になります。参加者は「音に包まれる」感覚を味わい、企業メッセージがより深く印象に残ります。

参加型コンテンツで一体感を創出

式典をただ「見て過ごす」だけではなく、新入社員自身や先輩社員も一緒に参加できる仕掛けを盛り込むことで、会場全体に一体感が生まれます。

◆創業者AIで“創業の思い”を直接伝える
AI動画生成技術を用いれば、創業者がすでに引退していたり、当日会場に来られない場合でも、距離や時代を超えて創業当時の思いや企業の理念をリアルに伝えることが可能になります。
まるで目の前で語りかけているかのような臨場感ある映像は、新入社員に強いインパクトを与え、「自分たちはこの会社の歴史と未来を担う存在なのだ」という一体感を自然に生み出します。

メッセージボード

新入社員一人ひとりに「これから挑戦したいこと」や「数年後の自分へのメッセージ」をカードに書いてもらい、会場内のメッセージボードに掲示します。並んだメッセージを目にすることで、「自分と同じ思いを持つ仲間がいる」と共感したり、「自分にはない発想がある」と刺激を受けたりと、新入社員同士の交流が自然に生まれます。

さらに、参加している上司や経営層にとっても、「今年はこんな想いを持った人材が入ってきたのか」と把握できる場となり、新入社員への理解や期待感を高める効果があります。

先輩社員からのメッセージ
若手の先輩社員がステージに立ち、自分の業務で感じたやりがいや、失敗から学んだことを発表します。成功体験と失敗談を交えてリアルに伝えることで、新入社員は具体的な仕事のイメージを掴みやすくなり、実務理解が深まります。形式ばった説明ではなく、等身大のエピソードが中心になるため、会場には共感や笑いが生まれ、自然と盛り上がります。

このように「個人の思いを残す体験(メッセージボード)」と「仕事を体感する学び(先輩社員からのメッセージ)」を組み合わせることで、参加者同士のつながりが強まり、入社初日から一体感を共有できる入社式が実現します。

入社式運営を外部委託・サービス活用で成功させるポイント

外部委託を検討すべき3つのケース

また、企画・運営において、限られた人的・時間的リソースの中で最大限の成果を上げるためには、「何を内製し、何を外部に委託するか」の判断が極めて重要です。以下では、外部委託を積極的に検討すべき3つの代表的なケースをご紹介します。

  • ケース1:社内リソースが限られている
    「準備時間が足りない」「運営人員が不足している」という状況では、プロの力を借りることで品質と効率を両立できます。
  • ケース2:特別な演出を実現したい
    映像制作や音響・照明などの専門技術が必要な演出は、外部の専門業者に依頼することで、より高いクオリティを実現できます。
  • ケース3:継続的な改善を図りたい
    毎年のマンネリ化を防ぎ、継続的にレベルアップを図るには、豊富な事例とノウハウを持つ専門業者との長期的なパートナーシップが有効です。

ワンストップサービス活用のメリット

近年は、入社式に必要な要素を一括で提供する「ワンストップサービス」も増えています。これを活用することで、人事担当者の負担を軽減し、効率的な運営が可能になります。

  • 企画立案から当日運営まで一括対応
    会場手配、演出企画、映像制作、音響・照明、司会、撮影まで、入社式に必要なすべての要素をワンストップで提供するサービスが増えています。複数業者との調整や品質管理の手間が大幅に削減され、人事担当者は本来業務に集中できます。
  • コストパフォーマンスの向上
    個別発注と比較して、パッケージプランでは総合的なコストダウンが期待できます。また、経験豊富なプロデューサーによる最適な予算配分で、限られた予算内で最大の効果を実現できます。
  • オンライン・ハイブリッド対応
    近年増加しているリモート参加者への対応や、録画配信などの技術的なサポートも含めた包括的なソリューションを提供。時代のニーズに合わせた柔軟な運営が可能です。

稟議を通すための提案ポイント

入社式の改善や外部サービスの導入を検討する際には、稟議を通すための説得力ある提案が必要です。以下のポイントを押さえることで、経営層の理解と承認を得やすくなります。

  • 投資対効果の明確化
    入社式への投資効果を具体的な数値で示すことが重要です。新入社員の早期離職率改善、エンゲージメント向上による生産性向上など、定量的な効果予測を含めた提案書を作成しましょう。
  • 他社成功事例の活用
    同規模・同業界の他社事例を参考に、「なぜその企画が成功したのか」「自社に応用した場合の効果」を論理的に説明することで、経営陣の理解を得やすくなります。
  • 段階的な改善提案
    一度に大きな変更を提案するのではなく、「今年は映像演出を強化」「来年は参加型イベントを追加」といった段階的な改善プランを示すことで、リスクを抑えながら継続的な向上を図れます。

まとめ

入社式のマンネリ化は多くの企業が抱える共通の課題ですが、適切な企画と運営により、新入社員の心に残る感動的な式典に変えることができます。重要なのは、新入社員の視点に立って「何を感じてもらいたいか」を明確にし、それを実現するための具体的な仕掛けを用意することです。

社内リソースだけでは限界がある場合は、専門業者のワンストップサービスを活用することで、品質向上と業務効率化を同時に実現できます。来年の入社式に向けて、今から準備を始めてみてはいかがでしょうか。

新入社員が「この会社を選んで良かった」と心から感じられる入社式の実現が、企業の未来を支える人材育成の第一歩となるはずです。

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