青森県八戸市の中心商店街で開催された歩行者天国イベントにあわせて商店街内のイベント会場で行われたゲーミングフェス「BTR」にて、ARスタンプラリーを企画しました。
八戸の魅力を楽しみながら学べる『はちのへ郷土かるた』をモチーフに、地域性を活かした企画を盛り込むことで、幅広い世代が楽しめる街歩き体験の創出を目指しました。
この記事の目次
ARスタンプラリーとは?

AR技術を活用したスタンプラリー型施策は、来場者が会場内を積極的に“歩きたくなる”体験づくりに最適です。
スマートフォンを使って、指定ポイントでARを起動し、デジタルスタンプを収集。
スタンプを集めた先にプレゼントやAR演出が待っていることで、自然と会場全体を回遊してもらえる仕組みを作れます。
具体例から見るARスタンプラリー
イベント概要
開催日時:2025年8月30日(土)
開催エリア:八戸中心商店街エリア
実施方法:各スポットに設置されたポスターのQRコードを読み取り、スマートフォンでARを体験
ゴール特典:オリジナルフォトフレーム、抽選会参加チケット
ターゲットとねらい
本企画では、商店街のイベント来場者やゲーミングフェス「BTR」参加者など、さまざまな目的で訪れる方々を対象として企画しました。
ARスタンプラリーを通じて、街を巡りながら複数のイベントを楽しめる“新しい回遊体験”を創出することを目指しています。
- ■歩行者天国イベント・美術館・ゲーミングフェスを結ぶ、街全体を巻き込んだ回遊導線づくり
- ■かるたを題材にした“世代を超えて楽しめる地域コンテンツ”の創出
- ■“お楽しみ要素”をきっかけに、ゲーミングフェスへの参加層拡大
実際の流れ
では、具体的にどんな流れで参加者たちはARスタンプラリーに参加するのかご紹介します。
開催エリア内に設置された、4か所のスポットを自由に巡ります。
それぞれの場所に“はちのへかるたデジタルスタンプラリー”のポスターを掲示しました。

スマートフォンでQRコードを読み取ると、ARコンテンツが立ち上がります。
どんな絵札が出てくるかは、見てのお楽しみ!

かるたの読み札が3Dで飛び出すAR演出を体験。
体験が完了すると、スタンプが獲得されます。

4つのスタンプをすべて集めたら、総合受付でオリジナルフォトフレームをプレゼント。
さらに、夜に開催されたゲーミングフェス「BTR」の抽選会にも参加できる仕組みになっています。

ARスタンプラリーの効果
今回の取り組みにより、以下の成果が得られました。
地域を巻き込んだ回遊導線の形成
今回の施策では、単体のイベントにとどまらず、地域全体を一体的に盛り上げる仕組みを意識しました。
歩行者天国イベント・美術館・ゲーミングフェスという異なる目的を持つ3つのエリアを一つの周遊ルートとして設計し、来場者が自然な流れで複数のスポットを回遊できるよう導線を組み立てました。
これにより、来場者は“単なるイベント参加者”ではなく“街全体を楽しむ観光客”という立場で体験を拡張できるようになります。また、地元の商店街や施設との連携によって、エリア全体の人の流れが活性化し、地域にとっても経済的な波及効果が生まれています。
単一のイベントでは得られないスケール感と回遊性を実現できた点は、今回の大きな成果のひとつです。
参加層の拡大と動機付け
従来のゲーミングフェスは、ゲームファンを中心とした来場者が多い傾向にありました。
そこで今回は、ゲームに馴染みのない方でも気軽に参加できる仕掛けを設けることで、ファミリー層や観光客など、新しい層へのアプローチを実現しました。
だれでも参加しやすいコンテンツを用意することで、これまで取りこぼしていた来場者にも体験の機会を提供できるようになりました。その結果、ゲームイベントへの来場につながる導線を構築でき、参加者の層が広がるとともに、来場者全体の属性にも変化が見られました。
スタンプラリーへの気軽な参加が、地域の回遊を自然に促し、潜在層の来場につながった点も大きな成果です。
数値で見る成果
スタンプラリー完走率(ゴール到達率)は 約40% に達し、来場者の多くが複数拠点を巡る体験を楽しんだことがわかります。
また、今回は抽選会への参加方法を、来場者アンケートの回答とスタンプラリーの完走という2つのパターンを用意。
従来はアンケート回答が中心でしたが、今回はゲーム感覚で楽しめるスタンプラリーが多くの来場者に利用されました。
その結果、スタンプラリー経由の参加者数がアンケート経由を大きく上回り、楽しさをきっかけにした参加導線の効果が数字として表れました。
これにより、会場全体の回遊率・滞在時間が向上し、1人あたりの接触機会が増加。
これまで1拠点のみで完結していた参加体験が、複数拠点を横断する形へと進化したことで、来場者満足度とイベントの認知拡大、地域への波及効果が同時に高まりました。
ARスタンプラリーをつくるには?
制作の流れ
○ 「郷土かるた」を軸とした体験コンセプトを立案
○ 商店街・BTRの導線を意識した周遊設計
○ 各スポット設置用のポスターを作成
○ マーカーとしての認識精度を考慮し、AR表示が安定するビジュアルを作成
○ スマホをかざすとポスターから絵札が出現
○ さらに、3Dの読み札が”立体的に飛び出す”ARを実装
○ 実際の設置場所で読み取り環境を確認
○ 当日のシステム動作確認(※障害発生時には対応実施)
参考費用
本事例と同規模のARスタンプラリーを実施する場合、
企画からデザイン・実装まで一式で約40万円前後 が目安となります。
詳細なお見積りについては、[お問い合わせフォーム]よりお気軽にご相談ください。
※制作内容や規模によって金額が変動する場合があります。
本企画は、地域に根付いた「郷土かるた」とAR技術を組み合わせることで、
「街を歩く → AR体験を楽しむ → 抽選会に参加する」までの自然な参加導線を実現しました。
大人から子どもまで世代を問わず楽しめる仕組みとして、地域イベントの回遊性と参加率向上に寄与した事例です。
今後もARを通じて、新しい体験価値創出を提案してまいります。
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