プレゼン構成の考え方|A4・1枚で伝わるシンプルな資料の作り方

「プレゼンはシンプルに伝える」


プレゼン資料を作るとき、「何から説明すればよいか分からない」「情報を詰め込みすぎて、結局何を伝えたいのか分かりにくくなる」と悩むことは少なくありません。

伝わるプレゼンにするためには、見た目を整えるだけでなく、相手に伝えたい内容を整理し、分かりやすい順序で構成することが重要です。

この記事では、プレゼン資料の基本的な構成から、情報を1枚のスライドにまとめる際の考え方、説得力のある資料にするためのポイントまでご紹介します。

資料作成に関する実態・意識についてのアンケート結果

プレゼン資料や提案書の作成では、内容を考えるだけでなく、資料をまとめるための時間や、情報を分かりやすく見せる方法に悩む人も少なくありません。

ここでは全国の20代~60代の企業に勤める正社員を対象に実施された、普段の業務における資料作成に関する調査結果をご紹介します。

Q1.報告書や提案書など、A4サイズの資料を1枚仕上げる平均時間は?

調査では、A4サイズ1枚の資料を1時間以内で仕上げる人が60%を占める一方、3時間以上かける人もいることが分かります。

また、別のアンケートでは、1週間に作成する資料の平均ページ数について「1~10枚」と回答した人が83%を占めています。

日常的に資料を作成する人にとって、1枚あたりの作成時間を短縮することは、業務効率にも大きく影響するといえます。

Q2.他者が作成した資料を確認した際、どのような問題を感じましたか?

第三者の視点から資料を確認した際に見つかった問題として、「文章表現が不適切」19.0%、「誤解を招く(要点が曖昧)」17.0%、「見づらい」17.0%、「欲しい内容の資料ではなかった」10.0%などが挙げられています。

誤字脱字や提出期限といった問題だけでなく、内容の分かりやすさや情報の整理方法も資料作成では重要なポイントです。

特に「欲しい内容の資料ではなかった」という状態では、時間をかけて資料を作成しても、相手が必要としている情報を十分に伝えられません。

Q3.過去の資料作りの失敗を踏まえ、今資料作りで一番悩むことは?

資料作りで現在悩んでいることとしては、「時間がかかりすぎる」が28.0%で最も多く、続いて「図版などがうまく入れられない」22.0%、「見た目が悪い」15.0%となっています。

資料作成では、見やすさを整えることに加えて、限られた時間の中で伝えたい内容を整理することも重要です。


ここからは、特に決裁者へ提案するプレゼンテーションを想定し、内容を分かりやすく構成するためのポイントをご紹介します。

プレゼン資料を作るために重要な3つのポイント

プレゼンテーション資料を作成する際、いきなりパワーポイントなどを開いてスライドを作り始めると、情報を盛り込みすぎたり、話の流れが分かりにくくなったりすることがあります。

まずは「誰に」「何を伝え」「どのような判断につなげたいのか」を整理することが重要です。

決裁者向けのプレゼン資料を作成する際は、特に次の3つを意識します。

1.情報を絞り、分かりやすく伝える

プレゼンでは、必要な情報を相手が短時間で理解できるように整理することが重要です。
特に決裁者向けのプレゼンでは、多くの情報を盛り込むよりも、「何を判断してほしいのか」が伝わるシンプルな構成を意識します。

1枚のスライドに複数の論点を詰め込むのではなく、そのスライドで伝えたい内容をひとつに絞ると、プレゼン全体の流れも理解しやすくなります。
スライドの枚数やプレゼン時間には内容によって適切な量が異なるため、必要な情報を絞り、短時間でも要点が伝わる構成を目指しましょう。

2.根拠を示し、論理的に構成する

決裁者から理解や納得を得るためには、結論だけでなく、その判断に至った理由や根拠を示す必要があります。
特に社内提案では、「なぜこの課題を解決する必要があるのか」「なぜこの方法が適しているのか」を論理的に説明することが重要です。

データや実績などの根拠を組み合わせながら、結論までの流れが自然につながるように構成します。

3.提案によって得られる効果を明確にする

現在の課題に対して、提案を実施することでどのような効果が期待できるのかを明確にします。
例えば、コスト削減、売上向上、業務効率化など、提案によって得られるメリットを具体的に示すことで、判断材料として伝わりやすくなります。

重要なのは、決裁者の立場から「この提案を実施する理由が理解できるか」を考えることです。

プレゼン資料は4つのパーツで構成する

社内向けのプレゼンテーション資料は、「表紙」「ブリッジ(導入)」「本編」「アペンディックス(補足資料)」の4つに分けて考えると、全体の構成を整理しやすくなります。

あらかじめプレゼン全体の流れを整理し、本編には提案の判断に必要な情報を中心に掲載します。

ただし、スライドの枚数を減らすことだけを目的として、1枚に大量の情報を詰め込むのは避けましょう。

例えば、1枚のスライドに複数のグラフを掲載する場合、それぞれが異なる内容を示していると、何を伝えるためのスライドなのか分かりにくくなります。

必要に応じてスライドを分け、「1枚につき伝えたい内容をひとつ」に整理することがポイントです。

情報を詰め込みすぎない考え方のひとつとして、「マジカルナンバー」と呼ばれる心理学の考え方があります。

心理学者ジョージ・ミラーは、人が一度に保持できる情報量について「7±2」という考え方を示しました。
その後、心理学者ネルソン・コーワンは、より少ない「4±1」程度とする研究を発表しています。

こうした研究からも、一度に多くの情報を伝えようとすると、内容を把握しにくくなる可能性があります。
プレゼンテーション資料でも、情報を詰め込みすぎず、伝えたい内容を整理して見せることが重要です。

表紙でテーマを示し、本編で現状と提案を伝える

まず表紙では、プレゼンのテーマや議題を明確に示します。
冒頭で「何について説明するのか」が伝わることで、聞き手がその後の内容を理解しやすくなります。

内容が複数のパートに分かれる場合は、「現状報告」「改善案」など、話題の切り替わりを示すスライドを入れる方法もあります。
こうした区切りを設けることで、現在どの内容を説明しているのか把握しやすくなります。

本編では、「現状や課題」と「提案内容」を中心に構成します。まず現状や課題を整理し、そのうえでどのような対応や改善を提案するのかを示すことで、話の流れが分かりやすくなります。

1.現状・課題
どのような課題があるのか、その原因は何かを整理します。

2.提案
課題の原因を解消するための方法と、実施によって期待できる効果を示します。
必要に応じて、コストやスケジュールなど、判断に必要な情報も加えます。

複数の選択肢を提示する場合も、それぞれの案を分けて整理すると、違いや判断材料を比較しやすくなります。

直接関係のないものはアペンディックス(補足資料)へ

アペンディックスは、本編に入れる必要はないものの、提案内容を補足するために必要なデータや資料をまとめておく部分です。
プレゼン終了後に詳しい根拠を求められた場合や、質問へ回答する際に活用できます。

本編にすべての情報を詰め込むのではなく、詳細なデータをアペンディックスへ分けることで、プレゼン本編をシンプルに保ちながら、必要な根拠も準備できます。

プレゼン資料を分かりやすく共有するための会議室づくり

資料の構成だけでなく、会議室での画面共有や機器の接続をスムーズにすることも、プレゼンを円滑に進めるためのポイントです。

プレゼンごとにテーマを明確にする

複数のテーマを一度に詳しく説明しようとすると、情報量が増え、何について判断してほしいのかが分かりにくくなります。
複数の課題や施策がある場合は、まず全体の方向性を示したうえで、優先度の高いテーマから順番に提案すると、論点を整理しやすくなります。

例題

ここでは、「店舗への来客数が減少している」という課題を例に、プレゼンのテーマをどのように整理するかを考えます。

【背景】

例えば、カフェを経営する会社で、店舗への来客数が減少していることが課題になっているとします。

店舗の状況を確認したところ、接客、店舗の清掃、外装、什器など、複数の観点で見直しが必要なことが分かりました。


【改善策の洗い出し】

改善策として、次のような取り組みが考えられます。

・スタッフの接客を改善する
・店舗内の清掃方法を見直す
・店舗外装を変更する
・什器を入れ替える

このように、ひとつの課題に対して複数の解決策が考えられる場合があります。

【テーマが複数存在】

それぞれの改善策を具体的に進める場合は、さらに個別のテーマに分けて考えます。
例えば、以下のように整理できます。

・接客研修の実施
・店舗の清掃ルールの見直し
・店舗外装の変更
・什器の入れ替え

これらをすべて一度のプレゼンで詳しく説明すると情報量が多くなり、「今回何について判断してほしいのか」が分かりにくくなります。

【テーマごとに分けて提案する】

まずは来客数減少に対する改善策の全体像を示し、その中から優先順位の高いテーマについて具体的に提案します。

例えば、最初のプレゼンでは「接客研修の実施」について、必要性や実施方法、コスト、期待できる効果を説明して承認を得ます。

その後、店舗外装の変更や什器の入れ替えなど、その他の施策についてもそれぞれ個別のテーマとして提案していきます。

このようにテーマを分けることで1回のプレゼンで扱う内容を整理でき、決裁者に「今回何を判断してほしいのか」を明確に伝えられます。

テーマを整理することでプレゼンの目的が明確になり、必要な情報もシンプルにまとめやすくなります。

シンプルで明確なロジック

分かりやすいプレゼンにするには、話の流れをシンプルに整理することが重要です。

基本となるのは、「課題 → 原因 → 解決策 → 効果」という構成です。

「何が課題なのか」→「なぜその課題が起きているのか」→「どのような解決策が考えられるのか」→「実施するとどのような効果が期待できるのか」という順番で整理すると、提案の流れを理解しやすくなります。

課題に対する解決策を検討する

課題と原因を整理したら、その原因を解消するための解決策を検討します。

例えば、接客に関する課題であれば「スタッフ向けの研修」「接客マニュアルの作成・配布」など、複数の方法が考えられます。

解決策を検討する際は、施策の内容だけでなく、「コスト」と「スケジュール」も合わせて考えることが重要です。

費用や実施期間に加え、可能であれば期待できる効果についても整理し、提案を実行できるか判断できる状態にします。

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結論と根拠をワンセットで

ロジカルなプレゼン資料を作るためには、「結論」と「根拠」をセットで示すことも重要です。

例えば、いくつかの選択肢の中からひとつを提案するのであれば、「この案が良い」という結論だけでなく、「なぜその案を選ぶのか」という根拠を示します。
根拠には、過去の実績や統計データ、アンケート結果など、提案内容を裏付ける情報を使用します。

結論に対して根拠が明確に示されていれば、聞き手も提案内容を判断しやすくなります。

プレゼン構成で押さえておきたいポイント

プレゼン資料を構成する際は、「課題 → 原因 → 解決策 → 効果」という流れになっているか、それぞれの内容に適切な根拠が示されているかを確認します。


STEP.1
課題を明確にする

現状を整理し、解決すべき課題を明確にします。


STEP.2
原因を整理する

課題が生じている原因を整理します。


STEP.3
解決策を検討する

原因に対して、どのような対応が必要かを考えます。


STEP.4
期待できる効果を示す

解決策を実施することで、どのような変化や効果が期待できるかを示します。


この流れが整理されていれば、プレゼン全体の構成も分かりやすくなり、提案の意図を相手へ伝えやすくなります。

複数の選択肢を提示する方法

提案内容によっては、ひとつの案だけではなく、複数の選択肢を用意する方法もあります。

例えば、「A案」「B案」という2つの案を提示し、それぞれのメリット・デメリット、コスト、期待できる効果などを比較できるようにします。

複数の選択肢を示すことで、それぞれの違いや判断材料を比較しやすくなります。

比較する場合は、2案の違いが分かるよう、メリット・デメリットなどを1枚のスライドにまとめて提示すると分かりやすくなります。

提案前に確認したい3つの視点

スライドを作り込む前に、提案内容そのものが実行できるものかを確認しておく必要があります。
特に確認したいのが、次の3つの視点です。

1.費用と効果
事業や施策を実施するために必要なコストを整理します。
関係部署にも確認しながら数字の精度を高め、「概要スライド」では重要な数字を分かりやすく示します。
詳細な計算根拠については、アペンディックスにまとめておくとよいでしょう。
売上や収益の予測を示す場合は、公的な市場データや過去の実績、事前の検証結果など、予測の根拠となる情報も合わせて提示することが重要です。

2.実現可能性
提案する事業や施策に関係する部署・担当者へ、事前に確認しておきましょう。
実際の運用方法を確認することで、資料を作成しているだけでは気づかなかった課題や注意点が見つかる場合があります。
関係者の意見も踏まえながら、現実的に実行できる提案になっているかを確認します。

3.会社・事業方針との整合性
売上や収益などの効果だけでなく、会社や事業の方向性と提案内容が合っているかも確認します。
個別の施策としてメリットがあっても、会社や事業が目指している方向と合っていなければ、実施の優先度が下がる場合があります。
提案によって得られる効果と、会社として取り組む意義の両方を整理しておくことが重要です。

いきなりスライドをつくらないことが重要

PowerPointなどでスライドを作り始める前に、まずは全体の構成を整理します。

例えば、
・そのスライドで伝える内容
・結論
・根拠となるデータ
・使用する画像や表、グラフ

などを書き出し、プレゼン全体の流れを組み立てます。

事前に情報を整理しておけば、いきなりスライドを作り始めるよりも、途中で構成を大きく変更したり、不要なスライドを作り直したりする作業を減らせます。

構成がまとまった段階で、上司や関係部署にも確認してもらいましょう。
他の人の視点を加えることで、情報の抜け・漏れを確認できるだけでなく、提案内容が現場で実行可能かどうかも事前に確認できます。

資料を作成するツールも重要

プレゼン資料の作成には、PowerPointやGoogleスライド、Keynoteなど、さまざまなツールがあります。

使用するツールによって機能や操作方法は異なりますが、重要なのはデザインや機能を使いこなすことだけではありません。

まずはプレゼンで何を伝えるのかを整理し、それを分かりやすく表現するために必要な機能を使用します。

また、社内での共同編集の有無や、使用する端末、実際にプレゼンを行う環境なども踏まえて、運用しやすいツールを選ぶことが重要です。

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プレゼン資料を作成した後は、会議室でスムーズに画面を表示・共有できる環境も重要です。
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