色は空間や商品、人に対する印象を左右する要素のひとつです。
同じ広さや明るさの部屋でも、赤を基調とした部屋と青を基調とした部屋では受ける印象が大きく異なります。
こうした色の特徴は、店舗やオフィス、イベント会場などの空間づくりにも活用されています。
この記事では、赤い部屋と青い部屋の印象の違いをはじめ、色が人に与える心理的な印象や、ビジネスにおける活用例をご紹介します。
この記事の目次
色が見える仕組み
色は電磁波のひとつであり、色の感覚を眼の中で引き起こす光のことを指します。
眼に見えていないだけで、ラジオ波、マイクロ波、赤外、紫外なども、光の波長のひとつなのです。

たとえば、赤色の物は、その物体に赤い色が付いているということではなく、その物体が赤い波長のみを反射させる性質を持っていて、眼がそこから刺激を受けて、脳が色を判断しているわけです。
赤い部屋と青い部屋が与える印象の違い
一般的に赤やオレンジなどの暖色は『温かさや活気』『にぎわい』を感じさせる色とされています。
一方、青や水色などの寒色は『涼しさ』や『落ち着き』『清潔感』を与えやすい色です。
赤色と青色の部屋をそれぞれ用意し、同じ温度、湿度にして被験者がそれぞれの部屋へ入るという実験では、赤い部屋に入った人は脈拍・呼吸数・血圧が上がったことでその場の温度を暑く感じ、逆に青い部屋に入った人は下がりその場の温度を涼しく感じたという結果が出たそうです。

赤は赤外線の隣に位置する色であり、波長が大きいので筋肉の興奮効果があり、暖かく感じる色となります。
一方、青は紫外線よりに位置する色であり、波長が小さくさざ波のような優しい波長なので、筋肉の弛緩効果もあり涼しく感じる色となっています。
店舗やイベント会場では活気のある雰囲気をつくるために暖色を取り入れ、オフィスや会議室では落ち着いた印象を与えるために寒色を使うなど、空間の目的に応じて色を選ぶことが重要です。
照明の色を活用した空間づくりに関する記事
照明の色や明るさを変えることで、同じ空間でも用途や場面に合わせて異なる印象を演出できます。
調光・調色を活用した空間づくりについて、関連記事でご紹介しています。
色が時間の感じ方に与える影響
赤色の部屋と青色の部屋では、時間の感覚も異なります。
たとえば、赤い部屋にいると、30~40分ぐらいしかいなくても、1時間ぐらいそこにいたような感覚になります。
それに対して青い部屋では、1時間いても30~40分ぐらいしか経っていないような感覚になります。
個人差や環境の差はあると思いますが、約2倍の感覚の違いが出るということです。

たとえば、一般的にファミリーレストランでは赤を基調とした暖色系でデザインされます。
これは、食欲を沸きたて楽しい雰囲気になるのと同時に、少しの時間だけでも十分な時間を過ごしたような満足感を与え、回転率を向上させているのです。
逆に単調で長い時間を費やする作業などは、青を基調とすることが望ましいといわれています。
色彩が心理状態や行動に与える影響
色は空間から受ける印象だけでなく、そこを利用する人の気分や行動にも影響を与える可能性があるとされています。
例えば、黒や暗い色を多く使用した空間は重厚感や高級感を演出できる一方で、使い方によっては閉鎖的で重い印象を与えることがあります。
反対に、緑などの自然を連想させる色は穏やかさや安心感のある空間をつくる際に用いられます。

また、海外の刑務所では利用者の緊張や興奮を和らげることを目的として、壁面に淡いピンクなどの落ち着いた色を取り入れた事例もあります。
ただし、色の感じ方や影響には個人差があり、色だけで心理状態や行動が決まるわけではありません。
空間に色を取り入れる際は色が持つ一般的な印象だけでなく、施設の用途や利用者、照明、内装との組み合わせを踏まえて検討することが重要です。
色彩が印象や判断に与える影響
赤を用いると20%勝率が高いという結果もあります。
イギリスの科学誌「ネイチャー」に掲載された記事によると、ボクシングやテコンドー、レスリングなどの格闘技では、赤のウェアを着用した選手の方が勝利数が多いという結果が掲載されています。

赤は脈拍、呼吸数を上げる興奮作用があり、なおかつ自律神経や交感神経を活発に働かせることで覚醒ホルモンを分泌させ、全身を奮い立たせる効果があります。
また、テストステロンという男性ホルモンの濃度を押し上げるという推測もある為、アメリカでは交渉ごとには赤のネクタイや赤のハンカチを必ず使用するといった習慣があります。
色が食品の印象に与える影響
食品や飲料は、味や香りだけでなく、見た目の色によっても受ける印象が変わります。
前述のとおり、赤やオレンジなどの暖色は温かさや食欲を連想させやすい色として飲食店の内装や食品パッケージに使われており、緑は自然や健康的な印象、白は清潔感、黒は高級感を表現する際に用いられることがあります。

また、食品そのものだけでなく、容器やパッケージ、照明の色によっても味や品質に対する印象が変わる可能性があります。
そのため、店舗や商品を設計する際は、伝えたいイメージや利用者層に合わせて色を選ぶことが重要です。
色彩を活用した空間づくり
色は、店舗やオフィス、イベント会場などの印象を左右する要素のひとつです。
目的や利用する人に合わせて色を取り入れることで、活気や落ち着き、高級感など、空間に持たせたいイメージを表現できます。
一方で、壁や床、什器などの色を用途に応じて変更することは容易ではありません。
照明や映像を活用すれば、大がかりな内装変更を行わなくても、時間帯やイベントの内容に合わせて空間の雰囲気を変えることができます。
照明による空間演出の事例
電音エンジニアリングでは、照明・映像・音響を組み合わせた空間演出や、設備の導入・更新に対応しています。
空間の印象を変えたい、用途に応じた演出を取り入れたいとお考えの際は、ぜひ一度ご相談ください。





