会議では、映像を使って情報を伝えることで集中力を高め、リモート参加者ともスムーズに情報を共有し、円滑な進行が可能です。そこで、今回は会議室で最適な映像機器の比較として、プロジェクターとLEDビジョンのどちらを選ぶか、両者のメリット・デメリットをお伝えします。
皆様のニーズに合った最適な選択ができるよう、ぜひご活用ください!
この記事の目次
比較表:プロジェクター vs. LEDビジョン
特徴 | プロジェクター | LEDビジョン |
---|---|---|
画面 サイズ | スクリーンのサイズに応じて画面サイズを変更可能。 | 複数のパネルを組み合わせて大画面表示が可能。 |
価格 / コスト | 初期導入コストが低い。ランプ交換が必要でランニングコストがかかる場合がある。 | 初期導入コストが高い。 長寿命のためランニングコストが低い。 |
明るさ | 明るい環境では画質が低下しやすい。 特に、照明条件に影響されやすい。 | 明るい環境でも鮮明な画質を保てる。高い視認性がある。 |
設置 / 操作 | スクリーンの設置や色や明るさの調整が必要。 持ち運びが簡単なモデルが多い。 | 設置後すぐに使用可能。 重量があり、持ち運びが難しい。 |
メンテナンス | ランプの定期的な交換が必要。プロジェクター本体のメンテナンスも重要。 | 長寿命のLEDパネルでメンテナンスが簡単。 |
持ち運び | 軽量で持ち運びが簡単。 組み立てやすい。 | 可動式LEDビジョンもあるが、重量があるため、建物間での移動は難しい。 |
スペース | 使用時にスクリーンが必要。設置スペースを考慮する必要がある。 | 壁掛けやスタンドに設置可能。スクリーン不要で省スペース。 |
映像の映り方比較
上記の画像では、部屋の電気を全て消灯し、窓からの光を取り込んだ状態と遮断した状態を比較しています。
暗い環境のプロジェクター(左側)と明るい環境のプロジェクター(右側)では、映像の見え方に大きな差が生じます。暗い環境側のプロジェクターは、映像がはっきりと見えますが、明るい環境側では映像がぼやけてしまいます。
また、右記の画像のようにスクリーンに光を当てると、映像が全く見えなくなるケースもあります。
プロジェクターを使用する際は、周りの環境を配慮した上で、スクリーン等の設置を行ってください。
LEDビジョンはプロジェクターに比べて、明るい環境でも優れた視認性を保ちます。何故なら、LEDビジョンは自己発光型であり、各ピクセルが独自に光を発するため、周囲の光を上回る明るさを提供し、外部環境の影響を受けにくいからです。
一方、プロジェクターはスクリーンに光を投影し、その反射を通じて映像を表示する反射型表示のため、周囲の光がスクリーンに当たるとその反射も一緒に見えてしまい、映像が薄く見えたりコントラストが低くなったりします。
プロジェクターの特徴
プロジェクターとは?
光源を用いて映像をスクリーンに投影する映像機器です。ポータブルモデルがあり持ち運び・設置ができます。プロジェクターは、スクリーンのサイズや設置場所に応じて自由に調整ができ、映像の比率や配置も柔軟に対応できます。
メリット
◆画面サイズの調整:プロジェクターは、環境に合わせて画面サイズを変更することが可能。
広い会議室や多数の参加者がいる場合でも少人数の省スペースでも活用できる。
◆投影の自由度:投影面があれば平面/立体問わず映像を投影できる
◆収納ができる:必要な時のみ機材を設置、必要のない時には天井などに収納できる
◆持ち運びが簡単:軽量で持ち運びが簡単なモデルが多いので、設営がしやすい。
デメリット
◆環境依存:明るい部屋では画質が低下するため、照明条件に影響を受けやすい。
◆設置の手間:スクリーンの設置や色や明るさの調整が必要で、準備に時間がかかる。
◆ランプ寿命:プロジェクターのランプは消耗品であり、定期的な交換が必要。
ランプの交換目安は、水銀ランプが約4.5年~9年 LEDランプが約18年と言われています。
◆部屋のレイアウトに影響:プロジェクターからスクリーンまでの投射距離が必要なため、人が通る場所には設置できない等・部屋のレイアウトによる制限が生じる
プロジェクターならではの活用シーン
プロジェクションマッピングなど、立体物や壁・床・天井を含めた空間全体の映像演出
LEDビジョンの特徴
LEDビジョンとは?
発光ダイオードを搭載した映像機器です。光の影響を受けにくいため、屋内外問わず設置ができます。
LEDビジョンはパネルの組み合わせから構成されているため、ディスプレイのサイズを自由にレイアウトできます。さらに、つなぎ目がなく大きな映像もきれいに表示することが可能です。
LED素子が組み合わされたLEDパネル
LEDビジョンは、フルカラーを表現するため赤・青・緑の3色のLED素子を使用しています。3色のLED素子ひとかたまりの単位を「1ピクセル」と呼んでいます。
このLED素子の集まりを数十センチのパネル状に組み合わせ、さらにそのパネルを組み合わせて大きな画面を作ります。
画面の形や大きさは、パネルの組み合わせ方次第で決められるためデザイン性の高さが特徴です。
またLED素子自体が発光するため、明るく鮮明な映像を映し出すことができます。外光や照明の影響を受けないため、屋外・屋内を問わず様々な場所で導入が進んでいます。
視認距離で決まるピクセルピッチ
LEDビジョンを形作るLED素子同士の間隔をピクセルピッチと呼び、1mmピッチ・3mmピッチ・5mmピッチ…のように表記されます。ピクセルピッチはLEDパネルのメーカーによって異なり、用途に応じて幅広く展開されています。
どのピクセルピッチのLEDパネルを使用するかは、視認距離を基準に決定します。
視認距離とは、画面に映る映像や文字を適切に見ることができる距離のことで、LEDビジョンの導入を決める際に画面の大きさと合わせて必ずヒアリングするポイントです。
ピッチが「狭い」場合
ピッチが広い場合と比較すると、画像が滑らかに見える。
ピッチが「広い」場合
画像の粗さが目立ってしまう。
ピクセルピッチが狭いほど一つの画面の中にあるLED素子の数が多くなるため、高画質な映像表現が可能になります。
近距離からLEDビジョンを見る場面、ピッチの広いパネルだと画面上にドッド(LED素子の粒)が見えてしまうため、ピッチの狭いLEDパネルを選定します。
また、スタジアムなどでLEDビジョンを導入する場合は、遠距離から映像を見るために利用されるケースがほとんどです。視認距離が長くなる場合には、ピッチの広いLEDパネルを選定します。
一般的に、視認距離の“1000分の1”がピクセルピッチの目安とされています。
例えば、3m離れた場所からLEDビジョンの画面を見る場合…
3,000mm(3m) ÷ 1,000 = 3mm となり、3mmピッチ前後のLEDパネルを使用することが適切だと分かります。
※算出したピクセルピッチの数値はあくまでも目安です。
ピクセルピッチ以外にも設置環境やメンテナンス方法に応じて最適なLEDパネルを選定します。
メリット
◆高画質:明るい環境でも鮮明な画質を保ち、視認性が高い。
◆操作が簡単:設置後すぐに使用可能で、設置後に色や明るさの特別な調整が不要。
◆メンテナンスが簡単:故障した箇所のパネルだけを交換すれば、それ以外のパネルは使い続けることができる。
◆カスタマイズ可能:複数のパネルを組み合わせることで、画面サイズを柔軟に調整できる。
デメリット
◆コスト:初期導入コストが高く、大型モデルは特に高額。
◆固定設置:重量があるため、持ち運びや異なる会議室間での移動は難しい。
◆外観:LEDビジョンを常設する場合は壁面へ取り付けるため、部屋の内装・デザインに影響がでてしまう
LEDビジョンならではの活用シーン
・導入場所は屋内・屋外を問わずに設置可能
・高リフレッシュレートでなめらかな映像を映し出せるため、一瞬も逃せないようなeスポーツ大会など
「施設への設置工事」と「イベントの仮設」どちらも対応可能です
設置工事の導入フロー
LEDビジョンの大きさやピッチなどの仕様から、運用方法や映像演出案も合わせてご提案いたします。
導入後の保守点検もお任せください。
LEDビジョンはLEDパネルの組み合わせです。故障した箇所のパネルだけを交換すれば、それ以外のパネルは使い続けることができます。
しかし、LEDパネルには製造段階で明るさや色調の“個体差”が生じているため注意が必要です。同じ明るさ・色調の設定にしたとしても、製造タイミングが違うLEDパネルでは、並べた時に微妙な“差”が出てしまうことは珍しくありません。
そのため当社では、LEDビジョンの導入時に後々の交換を見据えて、予め同時期に製造された交換分のLEDパネルも合わせて納入いたします。
LEDパネルは下地となるフレームと基盤の上に取り付けます。
前面から取り外すタイプ/背面から取り外すタイプがあるため、導入後の点検や不具合対応のしやすさを考慮して、設置方法を決定します。
事例紹介-施設への設置工事
● 専門学校
移動できるLEDビジョンもご提案可能です。
プロジェクターを置くスペースが足りない、大型液晶ディスプレイを搬入できない場所にもおすすめです。
イベント時の仮設対応フロー
会場の付帯設備やレイアウトに合わせて、LEDビジョンを設営します。
表彰式や商品発表会など、華やかで印象的な映像演出でイベントを盛り上げます。
安心してイベント運営をお任せいただくために、設営作業の安全管理も欠かせません。
限られた時間の中で行うイベントの設営作業においても、作業時のヘルメットや安全帯の装着、作業用の足場の確保などを徹底しています。
LEDビジョンは、明るすぎると眩しく感じてしまうことがあります。そのためLEDパネルの設置後、客席レイアウトや会場の明るさに合わせて照度を調整します。
同時に、LED素子の抜け(点灯していないLED素子が無いか)や、LEDパネルの繋ぎ目が見えていないか、映像が遅延しているLEDパネルが無いかを確認します。
事例紹介-イベント時の仮設対応
● ホテル宴会場
● イベントホール
まとめ
プロジェクターとLEDビジョンの選択は、使用環境、予算、設置の手間を考慮することが重要です。広い会議室や多数の参加者がいる場合はプロジェクターが適しており、明るい部屋や高画質を重視する場合はLEDビジョンが優れています。それぞれの利点と欠点を理解し、あなたのニーズに最適な選択をすることで、効果的な会議やプレゼンテーションが実現できます。
最適な会議室設備の選択についてさらに詳しく知りたい方や、導入に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。
当社のスタッフが皆様のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案いたします。