6月の最終週は株主総会が開催されるピークの時期。
私たちも打合せや機材準備・セッティング・本番のオペレーションに追われていました。
今回はそこで培った技術や知識を元に、テクニカルな視点から株主総会のポイントをお伝えしていきます!
株総でよくある質問・お問い合わせ例
「音量」「音質」はもちろん「聞き取りやすい音」にしたい…
会場内の撮影を行いたいのですが…
株主総会における最適な照明プランとは?
これらの課題を解決するためのポイントとは…?
株主総会までの流れとポイント
株主総会は企業の方、株主など多くの人が関わります。
そのため、企業の幹事様、ホテルのスタッフ様、電音エンジニアリングの三者が集まり、複数回打合せを実施。私たちはテクニカル担当として、トラブルなく株主総会が進むように準備を行います。
ステージなど大型セットの設営が始まります。セットや機材の数も多いため朝から夜まで、終日かかる作業です。
この時、私たちも映像(撮影)・音響・照明設備を搬入し、セッティングを行います。
特に映像設備は多くの機材を使用します。
例えばスクリーン、プロジェクター、LEDビジョン、役員の手元用モニター(質疑応答時に使用)などです。
映像を切り替える作業も多い為、スイッチング用機材もバックスペースに積まれていきます。
バックスペースに置かれる機材は、バックアップ用も含まれます。
そのため、通常の企業イベントの倍以上の機材が並んでおり、その光景は圧巻です!
会場の様子をカメラで撮影し、その映像を投影する場合は、メインスクリーンに加えてサイドや株主席後方にサブスクリーンや液晶ディスプレイを置くことも。
さらに会場を明るくするため、株主席向けにスポットライトを設置して明るさを調節しています。
ステージが明るい為、客席の明かりがダウンライトやシャンデリアのみだと、カメラを通した映像上、客席が真っ暗になってしまいます。
スポットライトは設置会場の様子を映し出すためのものなのです。
音響設備のセッティングも通常より注意を払います。
株主席に設置するマイクは有線マイクを選択される企業が多く、マイク本体とマイクケーブルは抜けないようにテープで補強しています。
またマイクスタンドが数多く設置される事が多いため、スタンド自体を床に固定し、転倒を未然に防ぐなど安全面にも配慮しています。
まずは幹事の皆様だけで総会の流れや人の動きを一通りおさらいします。
その後、役員も参加して質疑応答の想定問答など、シナリオに則りながら細かく詰めていきます。
使用機材も多い為、このリハーサルで機材トラブルが起こることも。
発生したトラブルに対しては、すぐに是正措置を行います。
開会(開会宣言、ルール説明、株主数と株式数の報告)
株主総会ではステージのセンターに演台とマイクが設置されます。
そこではよく、グースネックマイクが使われています。グースネック型は、無指向性でクリアな音を拾うことができ、こういったケースにマッチングします。また、ハンド型よりも見た目がすっきりとしていることもポイントです。
大統領演説でもよく使われるグースネック型ですが、ハンドマイクに比べると音質調整が難しいため、微細な調整作業がとても重要です。
監査報告、事業報告
昨今、事業報告は事前に映像制作することが増えています。
事前打合せでお預かりした資料を元に映像制作を行い、当日投影します。
また、総会冒頭などで投影する企業PR映像の制作を承ることもあります。
弊社では、社内専門チームが映像制作を行っています。
その際に、企業の重要情報を取扱うため、厳重な情報管理を怠りません。
議案上程、審議方法の了承、質疑応答、議案
議案の検討に入ると、役員が質疑応答に応えます。その際、後ろに控えるスタッフや顧問弁護士が回答をフォローすることも…
ステージに立つ役員の手元にはモニターを設置しているため、瞬時にスタッフからの回答をOHC(書画カメラ)により伝達します。
OHCはスタッフが手書きした内容や資料にラインを引いて情報を伝えられるため、迅速な情報伝達が不可欠な株主総会の場で重宝されています。
信頼感を演出するために、手元のモニターは演台に平置きして株主席から見えないように設置します。
また、お客様のリクエストにより、代わりにプロンプターや液晶ペンタブレットを使用する場合もあります。
閉会(終了宣言、新取締役紹介、閉会宣言)
まとめ
ここがポイント!
・株主総会に関わる全ての方の安全を最優先に、かつ美観に配慮した機器セッティング
・機器トラブル発生を見越したバックアップ機器体制