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イベント業界では、常に新しい企画や斬新なアイデアが求められています。しかし、日常業務に追われる中で、クリエイティブな発想を引き出すのは容易ではありません。そんな課題を解決するために注目されているのが、オープンAI「Chat GPT」です。
この記事では、イベントのご担当者様がすぐに使えるChat GPTのプロンプトを紹介し、具体的な企画例も交えながら、実践的な活用方法を詳しく解説します。AIを味方につけて、より斬新なイベントを企画しましょう!
この記事の目次
ChatGPTとは?
ChatGPTとは、 人工知能(AI)を活用した対話型の文章生成ツール です。テキストベースでの質問に対して、 蓄積されたデータをもとに最適な回答を提供 することができます。
イベント企画においては、 アイデアの発想・スケジュール管理・進行案の作成 など、幅広い用途で活用されています。
「新しいイベントのコンセプトを考えたい」「短時間で効果的な企画を立案したい」といった課題を解決する強力なツールです。
ChatGPTのメリット
ChatGPTを活用することで、 イベント企画の効率化やアイデアの広がりを実現 できます。
ChatGPTは、一度のプロンプト入力で複数の企画案を提示できます。
「斬新なイベントアイデアがなかなか出ない」と悩んでいるときも、ChatGPTを活用することでアイデアの引き出しを増やすことが可能です。
ChatGPTは、 トレンドを考慮した提案 を得意としています。
「ありきたりな企画ではなく、最新技術やユニークな要素を取り入れたい」ときに活用することで、 競合との差別化を図ることができます。
ChatGPTで気をつけること
ChatGPTは 非常に便利なツール ですが、そのまま使うだけでは不十分な点もあるため、注意が必要です。
ここでは、 ChatGPTの回答を活用する際に気をつけるべきポイント を解説します。
ChatGPTは、データベースの情報をもとに一般的な回答を生成するため他のイベントと似たような企画になりがちです。
改善例:独自要素を追加する
- 「競合と差別化するポイントを追加」
- 「ターゲットに特化した要素を加える」
- 「実現可能性を考慮して修正する」
✅ ChatGPTの回答(そのまま)
「ネットワーキングイベントを開催しましょう。」
✅ ブラッシュアップ後のアイデア
「AIマッチングを活用し、共通の趣味やスキルを持つ社員同士が自動でペアになるネットワーキングイベント」
ChatGPTは予算・リソース・制約を考慮せずに回答するため、実際に実施できるかどうかを確認する必要があります。
改善例:予算やリソースなどの制約を条件に追加する
- 「予算や開催形式を考慮した現実的なアイデアに調整」
- 「小規模からスタートし、徐々に拡大する方法を検討」
ChatGPTは学習データの更新頻度に限りがあるため、最新のトレンドやイベント開催ガイドラインには対応していない場合があることに注意が必要です。
改善例:ChatGPTの結果から、独自に調査や確認を行う
- ChatGPTの回答をそのまま信用せず、最新情報をWebで確認する
- 業界の最新ニュースや競合のイベント事例と組み合わせて企画を練る
- イベントの専門家や経験者の意見を取り入れる
短時間で幅広いアイデアを出せるChatGPTの回答ですが、人間の視点で「精査・改善」するプロセスが不可欠となります。アイデアを元に現実的なイベント企画に落とし込むことが大切です。
弊社では、 イベントの企画立案から運営・演出までトータルサポート しています。
対応範囲については専用ページからご覧ください。
ChatGPTで得たアイデアを より実践的な企画に落とし込み、成功へと導くお手伝い が可能です。
イベント企画におけるChat GPTの活用メリット
Chat GPTは大量のデータを元に学習しており、自分では思いつかないようなアイデアを提示してくれます。例えば「新しい企業イベントのアイデアを10個教えて」といったシンプルな質問でも、多様な回答が得られます。
通常、アイデア出しを複数人で行うと時間がかかるもの。しかし、Chat GPTなら数秒で複数の選択肢を出してくれます。
時間が限られている場合でも、効率的に企画を進めることができます。
Chat GPTはプロンプトを工夫することで、特定の業種やターゲット向けのイベント企画を提案できます。例えば「IT企業向けのネットワーキングイベントのアイデアを考えて」と具体的に伝えることで、より的確な提案が得られます。
プロンプトによる違いを実際に検証してみました
⚠ぼんやりしたプロンプトは、新人に「察して動いて」と言うのと同じ
ChatGPTを使ってイベント企画のアイデアを出すには、 適切なプロンプトを入力することが重要 です。単に「イベントのアイデアを出して」と伝えるだけでは、一般的な回答しか得られません。質問を具体的にするほど、より実用的なアイデアが得られます。
例えば、以下のような質問では、得られる回答に違いが出ます。
❌ 不適切な質問
「イベントのアイデアを教えて」
→ 一般的な回答になりやすく、具体性が欠ける
✅ 効果的な質問
「企業向けのネットワーキングイベントを企画中です。参加者同士の交流を促進し、ビジネスチャンスを生み出せるようなアイデアを提案してください。」
→ 目的やターゲットが明確になり、より実用的なアイデアが得られる
ChatGPTに質問するときは、以下のような 5W1H を意識すると効果的です。
今回は社内イベントの企画アイデアを提案してもらうプロンプトを用意しました。
①基本プロンプト
実際の回答
# 指示文:
社内イベントの企画アイデアをいくつか提案してください。
# 前提条件や背景情報:
・イベントの目的: 社員の交流を促進し、チームビルディングを強化する
・ターゲット:全社員約50名
・形式:オフライン
・予算: 50万円以内
・特長:「他のイベントと差別化するポイントは?」
# 出力項目とフォーマット:
– **アイデア1**
– **タイトル:**
– **概要:**
– **実施方法:**
– **期待される効果:**
– **アイデア2**
– **タイトル:**
– **概要:**
– **実施方法:**
– **期待される効果:**
(以下、同様に続く)
社内イベント企画アイデア
アイデア1
タイトル: リアル謎解き×チームビルディングチャレンジ
概要: チームごとに協力しながら、オフィスや会場内に設置された謎を解き、最終ゴールを目指すイベント。謎解きには会社に関する要素を取り入れ、楽しみながら組織理解を深める。
実施方法:
5〜6名のチームを編成
会場内にいくつかの「謎解きポイント」を設置
参加者はヒントを元に課題をクリアし、次のポイントへ進む
最も早くゴールしたチームに景品を贈呈
会場: 社内スペースまたは貸し会場(会議室等)
予算: 謎解きキット制作、運営スタッフ依頼(30万円程度)
期待される効果:
チームワークの向上
コミュニケーションの活性化
社員同士の新たな発見や協力関係の強化
アイデア2
………………………………..
②具体性を持ったプロンプト
さらに、イベント開催に対する背景情報や参加者が抱えている課題/関心(ニーズ)やイベントのトレンド情報を加味すると、イベント企画の精度を上げることが出来ます。
実際の回答
# 指示文:
社内イベントの企画アイデアをいくつか提案してください。
# 前提条件や背景情報:
・イベントの目的: 社員の交流を促進し、チームビルディングを強化する
・想定参加人数: 約50名
・開催場所: 社内会議室または近隣のレンタルスペース
・予算: 50万円以内
・実施時期: 〇月頃(例: 年度末)
・過去のイベント実績: 社員交流ランチ会、スポーツ大会、ワークショップ
・参加者の特性: 幅広い年代・職種の社員が参加
・会社の業種: IT企業(例)
・企業文化や方針: カジュアルで自由な雰囲気、イノベーションを重視
# 思考指針:
・ユニークで目新しいアイデアを提案
・参加者が主体的に楽しめる仕掛けを考える
・コストパフォーマンスを考慮
・オンライン/オフライン両方の可能性を検討
・トレンドや最新技術を活用
# 制約条件:
・過去に実施したものと重複しない
・準備や運営に過度な負担がかからない
・特定の個人や部署に偏らず、全社員が参加しやすい
# 出力条件:
・アイデアを3〜5個提示する
・各アイデアには、タイトル、概要、実施方法、期待される効果を含める
・簡潔で分かりやすい表現を用いる
# 出力項目とフォーマット:
– **アイデア1**
– **タイトル:**
– **概要:**
– **実施方法:**
– **期待される効果:**
– **アイデア2**
– **タイトル:**
– **概要:**
– **実施方法:**
– **期待される効果:**
(以下、同様に続く)
社内イベント企画アイデア
アイデア1
タイトル: 「未来会議 – AI × 社員で考える会社の未来」
概要:
社員がAIツールを活用して会社の未来を考えるワークショップ。各チームが会社の課題や成長戦略について議論し、AIを使ってアイデアをブラッシュアップしながらプレゼンを行う。
実施方法:
参加者を5〜6名のチームに分ける
事前に会社の課題や未来のテーマを設定(例:業務効率化、新規事業、社内DX)
AIツール(ChatGPT、Miroなど)を使いながらブレインストーミング
各チームがアイデアをプレゼンし、投票で優秀チームを決定
会場: 社内会議室またはレンタルスペース
予算: AIツールの利用費、軽食、景品(30万円以内)
期待される効果:
参加者同士のディスカッションを通じた交流促進
最新テクノロジーを活用し、発想力を刺激
会社の未来に対する社員の意識向上
アイデア2
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【検証結果】2種類の質問に対する回答の比較
「①基本的なプロンプト」と「②具体性を持ったプロンプト」を比較すると、具体性を持ったプロンプトでは「企業文化」「過去のイベント実績」「業種」「参加者の特性」 など、より具体的な情報を追加したため、下記項目を考慮した調整がありました。
(変更点)
①基本的なプロンプトでは業界を特定せず、一般的なチームビルディングのアイデアを提案しましたが、②具体性を持ったプロンプトでは IT企業向け のイベントになるように工夫しました。
(具体例)
- 「未来会議 – AI × 社員で考える会社の未来」 → 最新技術を活用した発想力強化
- 「リアル脱出ゲーム × ITミッション」 → IT企業ならではのシナリオでゲーム性を向上
- 「メタバース社内交流イベント」 → IT企業らしいデジタル環境でのイベント
- 「社内ドキュメンタリー制作」 → 動画制作のスキルも学べる実践型イベント
(変更点)
①基本的なプロンプトには過去のイベント実績が記載されていなかったため、一般的なアイデア(スポーツ大会やワークショップなど)も含めました。
しかし、②具体性を持ったプロンプトでは 「社員交流ランチ会、スポーツ大会、ワークショップ」 という過去の実績が示されたため、重複しないようにしました。
(具体例)
- スポーツ大会は既に実施済みのため除外
- ワークショップ形式はあえて技術トレンドを取り入れて新しい形に(AIやメタバースを活用)
- 社員同士が能動的に関わる形式にシフト(ドキュメンタリー制作や即興プレゼン)
(変更点)
①基本的なプロンプトでは比較的オーソドックスな「チームビルディング系」や「協力ゲーム」中心でしたが、②具体性を持ったプロンプトでは「バラエティ感」「トレンド感」「ユニークさ」 を意識して、新しい切り口を入れました。
(具体例)
- 「社員バラエティ番組」 → 楽しみながら即興プレゼン力を鍛える
- 「社内ドキュメンタリー制作」 → 自社の魅力を再発見し、コンテンツ制作力も高める
(変更点)
②具体性を持ったプロンプトでは 「社内会議室または近隣レンタルスペース」 という制約が明示されたため、それに適した実施方法に変更しました。
(具体例)
- 大がかりな設備が必要なスポーツ系イベントは除外
- 「脱出ゲーム」「メタバース交流」 など 場所を選ばないイベント を多めに
- 予算内で収まるように 「軽食+景品+機材レンタル」 の構成で設定
ChatGPTは、与えられた情報に基づいて最適な回答を生成します。上記、検証結果のように、質問を具体的にするほど、より実用的なアイデアが得られます。
【まとめ】ChatGPTを活用してイベント企画を効率化しよう
ここまで、ChatGPTを活用したイベント企画のアイデア出しの方法について詳しく解説してきました。単なる質問ではなく、条件を細かく指示することで精度の高い的確な回答が得られます。ぜひ今回紹介したプロンプトテンプレートを基にご自身でアレンジしてご利用ください。
また、短時間で幅広いアイデアを出せるChatGPTの回答ですが、人間の視点で「精査・改善」するプロセスが不可欠となります。アイデアを元に現実的なイベント企画に落とし込むことが大切です。
【イベントディレクター監修】ToDoリスト公開中!
社内イベントを成功に導くために計画やスケジュールなど念入りな準備は欠かせません!
イベントの準備がスムーズに行える手助けとして、現役のイベントディレクター監修の元、1つのイベントの企画から運営までの流れに沿ってToDoリストをご案内しています。
イベント企画のご相談・お問い合わせ
「ChatGPTを活用してイベントのアイデアを考えたけれど、実際の運営や具体的な設計が難しい…」 という方へ。
弊社では、 イベントの企画立案から運営・演出までトータルサポート しています。
対応範囲については専用ページからご覧ください。
ChatGPTで得たアイデアを より実践的な企画に落とし込み、成功へと導くお手伝い が可能です。