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リモートで事業継続を支援します

感染症リスク下で重要なシステムの選び方

現在、感染症リスクに伴い、様々な分野で事業継続が危ぶまれています。
これを乗り切り、正常な業務ルーチンを復活させるためには、このような状況下でも持続可能なシステムの導入が欠かせません。
 しかし、どんなに素晴らしいシステムを導入したとしても、システムトラブルが皆無といったことは、ほぼ存在しないのが現状だと言えます。
そこで重要なことが導入後のシステムサポートです。

システムサポートとは

システムサポートには「運用」と「保守」の2種類がある

「運用」は機器を動かしたり活用することで、「保守」は機器のトラブル回避や復旧を指します。この両者は同質と混同されがちですが、当社ではそれぞれ別の事業として取り組んでいます。たとえ持続性の高いシステムを導入したとしても、その運用、つまりは使いこなすことができなければ絵に描いた餅となってしまいます。

弊社は元々、ホテル宴会場へ導入した映像・照明・音響機材を運用するために設立した会社です。その後、それらの機器のシステム構築やオンサイト保守へと業務を拡大してきました。運用が伴うこともあり、これまでは主にオンサイトで対応するサポートを行っていました。

医療向けのリモートサポートをスタート

医療映像・画像のための高品質映像システム

手術室向け映像システム
「オルティス」
ネットワーク経由でサポート

弊社では2015年に光ファイバーネットワーク型の手術室向け映像システム「オルティス」の販売を開始したことを皮切りに、医療向けに導入可能なリモートサポートシステムを開発しました。

なぜなら、万が一、手術開始前や術中にシステムが停止してしまうと、とてもクリティカルな状況を作り出してしまうためです。患者さんへ高度な医療を届けるためにも、いざというときには即座にリモート接続して復旧する必要があったのです。

また、「オルティス」は従来の映像システムとは異なり、手術室ごとに構築したサーバーやネットワークを中心に動作するシステムであるため、リモートサポートと非常に親和性が高いといったメリットがありました。

加えて、手術室はいつでも入れるといった環境ではありません。空きスケジュールを見計らったうえで、手術着にも着替えるなどしなければなりませんし、我々技術者があまり不用意に入室する場所ではありません。

こうしてリモートサポート環境を構築したことで、これまで多くのインシデントを防いできました。現場で作業する際にも、エンジニアが遠隔から参加できるのはもちろんのこと、現地へ伺った際にも、サーバーラックが設置された部屋から移動せずにある程度の作業ができることには、様々な側面で大きなメリットがあるといえます。

リモートサポートのメリットはインシデント対応の素早さ

リモートサポートで故障診断を行うことにより、現場での故障診断時間を短縮し、修理等に必要な部品の取り寄せを迅速化することができます。
また、最近のシステムはソフトウェアがコアとなるものも多くなっており、リモートによる「ハードウェアとソフトウェアの切り分け」がインシデント対応をよりスピードアップしてくれます。

リモートサポートのメリット

インシデント (英: incident) は、事故などの危難が発生するおそれのある事態を言う。

出典:Wikipedia
リモートサポートのメリットをまとめると
  1. サーバーやネットワークなど、IT系のシステムと親和性が高い。

  2. 不用意に入室できない場所で活躍する。

  3. コア・エンジニアは現場を遠隔から支援できる。

  4. 現場へ行かなければできなかった故障診断が行える。

  5. ハードウェアとソフトウェアの切り分けができる。

セキュアなリモートサポートを実現するために

リモートサポート通信インフラに必要な条件

設置した機器のリモートサポートを行うためには、通信インフラのクオリティやセキュリティについて、いくつかの条件があります。

リモートサポートインフラの条件
  1. 通信インフラがセキュアであり、外部からの侵入回避や通信の暗号化対策が行われている。

  2. 無関係の機器がサポート対象機器に影響を及ばさぬようサポート専用のネットワークが構築されている。

  3. いざというときに接続先に設置された通信機器が落ちないよう通信インフラの常時監視や迅速なルーターの交換ができる。

  4. できる限り安価に構築でき、ランニングも低く抑えることができる。

高度なセキュリティと冗長化を実現

上記を踏まえ、当社が医療向けに採用している方法は以下のようなものです。

閉域網を使って通信事業者のバックボーンへアクセスし、公衆網へ出ることなく各拠点へ接続します。この際に、リモートサポート用ネットワークとシステム用ネットワークとは分離されています。
 また、インフラはサポート先の設備条件に合わせて、フレッツ光もしくはNTTドコモLTEのいずれかを使用しています。
現地へ設置しているルーターはフラッシュメモリーにコンフィグを搭載しており、万が一故障しても機材を交換するのみなので、専門的な設定が不要です。
 加えて、バックボーン上のシステムから常時監視されており、万が一通信が途切れたりルーターの電源が落ちたりした場合には、担当者へメールが飛んでくるようになっています。このようにして、品質と冗長化を実現しています。

リモートサポートシステム「VPNダイレクト」

そこまで…と感じられるかもしれませんが、万が一、リモートサポート用のインフラが落ちてしまった場合、結局現地対応が必要となってしまい、お客様の業務を長時間止めてしまうことにもなりかねません。

リモートサポートの導入事例

では、リモートサポートが実際にどんな場面で活躍しているのか、当社のいくつかの事例をご紹介します。

手術室映像システムのリモートサポート

これがスタートのきっかけとなったものですが、当社のカスタマーセンターから病院へ設置した専用のLTEルーターへログインし、手術室ごとに設置されているサーバー及びクライアントPCへ接続してメンテナンスする仕組みです。医療機関によっては、電波状況が厳しくフレッツ光を敷設した例もあります。フレッツ光を使用する場合は、NTT東西のNGNを経由することで閉域化を行い、IPv6 ・IPoEによって高速化を図っています。

これにより、映像のエンコーダーやデコーダーを専用の画面で個別に制御したり、設置機器個々に電源管理やリブートをおこなったり、システムトラブルを短時間で解決したりすることができるようになっています。

加えて、タッチパネルの故障時にはお客様とタッチパネル画面を共有し、こちらが代わりに操作します。
 また、タッチパネルのデザイン・名称を変更したい場合や新しい医療機器を追加したい場合などもリモートで行っています。

手術室映像システムのリモートサポート

旅客フェリーのデジタルサイネージをリモートサポート

当社は旅客フェリー向けの演出設備(LEDビジョン等)や、デジタルサイネージシステム、ビデオ・オンデマンドシステム、フリーWi-Fi設備と認証管理システムなども手掛けております。
現在、ドッグへ帰還したフェリーへVPN接続し、システムのメンテナンスやサイネージコンテンツの入替え等を行っています。

旅客フェリー向けシステムのリモートサポート

遠隔ショールームのリモート制御

こちらは名古屋にあるショールームを、東京のショールームから操作したいといったお客様のご要望にお応えした事例です。
BtoBのお客様向けショールームは個人向けとは異なり、予約制の所が多いかと思います。そこで、予約が入った日のみ業務用のスマートフォンからシステムの電源を入れ、ご予約のお客様に合ったセッティングを行えるようにしました。
合わせて、ネットワークカメラでショールームの機器がどのように表示されているかも確認できるようにしました。営業担当者は各地にいらっしゃっても、システムを把握されている方は多くないといったケースに便利な事例かと思います。

遠隔ショールームのリモート制御

現場へ行かずにリモートでセッティング

次の事例はサポートではなく、現場施工時に現地へSEが出向かずに完了した物件です。施工現場でシステムを起動しながらでないとプログラミングやセッティングができないようなシステムの場合、通常はSEも現場へ出向かなければなりません。
この事例では頻繁にプログラムセッティングが発生する物件で、施工担当者や協力会社の現場担当者のみが現地へ出向き、SEはいくつかの地域の物件に同時に関わるといったことを実現しています。

施工現場のリモートセッティング

専門医が手術をリモートサポート

現在、地方病院では、医師不足と共に都市部への医師偏在が顕在化しています。そこで当社では、「オルティス」が手術室内で配信する映像・画像を専門医・指導医のいる都市部の医療機関へ配信し、リアルタイムにアドバイスをもらうことができるシステムを開発しています。
 さらに、「ここ、あそこ」などの暗黙知にアノテーションで形式知を付けることで、より綿密なコミュニケーションが可能となります。
これらはパンデミックで解禁された遠隔対面診療と同様、医師の働き方改革にも通ずるところがあると考えています。

遠隔手術支援ソリューション

▼遠隔手術支援について詳しくは以下のサイトへ
https://ortis.denon-eng.jp/solution/remote-surgical/

▼日本脳神経外科学会第78回学術総会特別テーマ展示レポート
https://ortis.denon-eng.jp/report/society-report/

リモートソリューションが世界を変える

リスクをきっかけに新しいものが生まれるということは、これまでもたくさんありました。
ですから、今回のようなパンデミックがきっかけとなり、あちらこちらで「それ、リモートでいいんじゃない?」といったシーンが増えると思っています。
”目の前には存在しない世界へ双方向で参加することにより、大きな価値を生み出す”といった意味では、ウェブ会議も監視カメラ、そしてVRも、いうならばリモートソリューションです。
私はいよいよここから、システムインテグレーターやソフトウェアベンダー、インフラベンダーが力を合わせ、本格的にイノベーションを生み出していく世界が始まるのではないかと期待しています。

当社ではこれらの経験をベースに、リモートサポートからリモートアクセス、IoTセンサーを使ったリモート監視、遠隔医療支援に至るまで、様々なパートナーと共にお客様にとって使いやすいシステムを構築します。

ぜひ、システム設計のご相談から設置・施工、オンサイト保守、ファシリティ常駐に至るまで、「あ、そんなことまで?」にお答えできる当社へお気軽にご相談ください。

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