私たちは「AV設備の提案・設計・施工」や「機材オペレーション」、「イベント企画」などを行っています。今回はそんな中でも、他のサービスとは違った特別な技術が求められる映像制作について、スポットを当てていきます。
特に、最近様々な場所で導入されているプロジェクションマッピング。
電音エンジニアリングでもプロジェクションマッピングを作っているんですか?
電音エンジニアリングで映像制作に関わること10年以上。
社内外の信頼も厚いベテランスタッフに話を聞きました。
披露宴でのオープニング演出用に、何度も作成して実際に採用されています。プロジェクションマッピングの製作過程について説明しましょう!
プロジェクションマッピングは私たちのお客さまに、毎月10件以上も披露宴で採用してもらっています。ここ数年、変わらぬ人気を誇るコンテンツです。
プロジェクションマッピングをうちでもやりたいなぁ…
かしこまりました。お任せ下さい!
最初に確認することは以下の3点です。
プロジェクションマッピング導入の目的
プロジェクションマッピングで何を伝えるのか
どこに投映するか
①②はお客様によって様々です。
…等々。ここでは紹介しきれないほどです。 そのため今回は③の技術的な部分を中心にご紹介します。 例えば投映する場所が屋内の壁面だとすると…
壁のサイズ感、凹凸のレベル
壁の色、素材
会場は暗転できるのか
プロジェクターの設置場所
など様々なポイントを確認していきます。
ホテルのクロスで多い茶色系は、光の反射率が低く投映した色が暗く見えてしまいます。内装によって、映像で使える色合いに制限の出ることがあるので、この時の現場チェックが重要になります。
テスト投映・計測はプロジェクションマッピングの特性上、必ず必要になる作業です。
プロジェクターを仮設してグリットを表示し、どこに何があるのか記録を取ります。
また実際にサンプル映像などを投映することで映像で映す色味の出方を見ていきます。
絵コンテを制作し、打合せを重ねながら映像のストーリーを決定します。 実際に作成した絵コンテがこちら。
シーンごとに注意点も含め、細かく内容を決めていきます。
構成台本の製作は、お客さまからの要望・イメージを汲み取りデザインに落とし込んでいく作業です。この台本を元に映像の作り込みを行うため、この出来が最終的な完成形を左右します。
この時、プロジェクションマッピングの重要な要素であるBGMも選定します。曲と映像の盛り上がりをリンクさせるなど、よりお客様の心を動かす仕上がりを目指します。
台本を元に映像制作を始めます。3DCGの制作も行っており、ひとつの映像に対しておよそ3名ほどで取り掛かります。
実際に会場で投影してみると、お客さまが「思っていたモノと違う…」と仰ることもしばしば。それもそのはず、平面(しかも小さな画面)上で見ていた映像と、実際に立体に映した映像では、遠近感や受ける印象が異なります。私たちも「もっと迫力をつけたハズなのに全然そう見えない…」など、想像と違ってしまうこともあるのです。
試写を経て修正作業を行います。映像の作り直しは平均して3回程度。(多い時は9回ほど作り直しを行ったことも…)
この時アート作業(投映面の凹凸と映像とのズレを無くしていく作業)も行い、完成に向けてブラッシュアップさせていきます。この作業におよそ2カ月程度を要します。
修正・調整の後、やっと完成です! 最初の依頼から考えると5カ月の期間を経てお客さまの思いがカタチになります。
ありがとう!
プロジェクションマッピングは沢山の時間と手間をかけて出来上がります。その分、完成した映像は迫力があり見る人に感動を与えます!
そんなプロジェクションマッピングをこれまでに沢山制作してきた訳ですが、気を付けていることはあるんですか?
一番は披露宴での映像なら「新郎新婦とゲストの気持ちを置いてけぼりにしない」こと。
映像を作り込んでいくと、映像の凄さや迫力を追求しがちになってしまいます。
ですが披露宴では、あくまでもプロジェクションマッピングは盛り上げ役。その点は常に心がけています。
以上「プロジェクションマッピングができるまで」でした。
電音エンジニアリングでは、様々な映像コンテンツの制作を承っています。こんなものできる?今の映像をもっと良くしたい!など、映像に関することはお気軽にご相談下さい!