「会場の特徴を活かした演出を実現したい」
「屋外空間も含めて印象に残るイベントにしたい」
こうしたご要望は多い一方で、実際には会場の構造や環境によって、実現できる演出が制限されるケースも少なくありません。
とくに映像演出は、投影面の形状や明るさ、屋内外の環境によって見せ方や設計が大きく変わります。
今回ご紹介するイベントでは、船を模した会場の“帆”に映像を投影し、空間の特徴を活かした演出を実現しました。
プロジェクションマッピングというと、大規模な建物や特設会場で行う演出をイメージされる方も多いかもしれません。
しかし実際には、空間の条件や演出意図に合わせて設計することで、今回のような特徴的な構造を持つ会場や、一般的なスクリーンではない対象にも対応することが可能です。
電音エンジニアリングでは、映像・音響・照明・コンテンツ制作まで一体で設計し、どのような条件でも実現できる形に落とし込むことが可能です。
この記事の目次
イベントの概要
▼主催
リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ
(List Sotheby’s International Realty)
▼日時
2025年10月24日(金)・25日(土)・26日(日)
▼会場
寺田倉庫「T-LOTUS M」
https://event-space.terrada.co.jp/all-spaces/t-lotus-m/ (外部リンク)
本イベントは、リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ様による国内外・高級不動産展示会イベントに付随するレセプションパーティーとして実施されました。
本案件はワールドサービス様よりご依頼をいただき、音響・照明・映像での演出、プロジェクションマッピング制作などを当社が対応しました。
会場は、寺田倉庫が運営する、船を模した構造が特徴の水上スペース 「T-LOTUS M」
屋外と屋内が混在する空間であり、それぞれの環境に応じた演出設計が求められる特殊な会場です。
会場全体を活かした空間演出設計
会場となった「T-LOTUS M」は、【Roof Top Deck】【Main Deck】【Lower Deck】の3エリアで構成されています。
屋外の【Roof Top Deck】ではDJブースを中心とした演出、【Main Deck】では昼はセミナー・夜はパーティーと用途を切り替え、ラウンジでは落ち着いた空間づくりを行いました。

電音エンジニアリングは、セミナー会場の音響・照明、パーティー会場の音響対応に加え、
投影するコンテンツ制作も含めて今回の大きな見どころとなるプロジェクションマッピング演出を担当しました。
船の帆への映像投影
本事例の最大の特徴が、【Roof Top Deck】に設置された「帆」への映像投影です。
一見するとスクリーンとしては不向きにも思える帆ですが、設計と調整によって映像演出として成立させています。
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今回の帆のような場合、その日の天候や風、帆の張り方によって形状が変化するため、建物のように固定された対象とは大きく異なる条件下での投影となります。
そのため、通常の投影と同じように映像を当てるだけでは成立せず、より精度の高い調整が求められました。
こうした条件では、マッピングソフトを用いて映像自体を歪ませ、帆の形状に合わせた補正を行う必要があります。
このように、固定された対象に限らず形状や条件が異なる場合でも、設計と調整によって映像演出として成立させることが可能です。
さらに、単に投影を成立させるだけでなく、空間全体として自然に見せるための調整も重要となります。
白い帆にそのまま映像を投影すると余白が生まれ、映像だけが浮いて見えてしまうため、リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ様のコーポレートカラーである紺色を象徴するネイビーの照明を加え、帆全体の余白を埋めることで空間のベースを整えました。
また、映像のエッジ部分をぼかすことで境界をなじませ、違和感のない見え方となるよう調整を施しています。
こうした細かな調整により、既存の会場構造をそのまま活かした映像演出を成立させました。
一般的には難しいとされる投影対象であっても、適切な設計と調整によって実現することが可能です。
雨天時も演出を止めない設計
ここまでご紹介した帆への映像投影は、屋外エリアでの実施を前提として設計されていましたが、イベント期間中は天候が崩れてしまい、屋外エリアの使用が難しい状況となりました。
初日は小雨のなか屋外で実施しましたが、翌日以降は本降りとなり【Roof Top Deck】での演出が困難に。
そこで急遽、屋内の【Main Deck】へ会場を移し、プロジェクションマッピング演出を継続する判断を行いました。
本来の計画が難しくなった状況でも、演出を中止するのではなく、会場や条件に合わせて成立させる方法を検討し、場所が変わっても演出を継続できる形へと切り替えています。
屋外での実施が難しくなった中で、問題となったのは「帆に合わせて制作した映像をどう活かすか」という点でした。
もともとの映像は屋外での投影を想定した構成となっていたため、そのまま平面の天井に投影しても意図した見え方にはなりません。
そのため、映像の構成や見え方を調整し、屋内空間でも成立する形へと再構成を行いました。
この際、単に投影先を変えるのではなく、「会場に入った来場者の視線が自然と上に向く導線」を意識し、天井を活用した演出として再設計しています。
天井の投影は、2台のプロジェクターを用いて左右から天井面へ映像を出し、空間全体で見せる構成としました。
今回のように天井が比較的低い会場では、入室と同時に視界に入るため、来場者の印象に残りやすい演出となります。
パーティー中には、映像を見上げたり写真を撮ったりする来場者の姿も見られ、空間全体の印象づくりに寄与していました。
天井投影は一般的な手法ではありませんが、今回のように空間条件に合わせて設計することで、屋外で想定していた演出を屋内でも成立させることができます。
この事例のような演出が向いているケース
今回の事例のように、会場条件や環境によって演出に制約がある場合でも、設計次第で実現できるケースは少なくありません。
「自社でも同じような演出ができるのか」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そのようなケースとして、以下のようなイベントが挙げられます。
・レセプションパーティーや企業イベント
・展示会に付随する交流イベント
・空間全体で体験価値を高めたいイベント
・会場の特徴を活かした演出を取り入れたいイベント
また、『会場に特徴的な構造がある』『限られた条件の中で印象に残る演出をしたい』といった場合にも、柔軟な設計によって対応が可能です。
限られた条件でも実現できる映像演出
プロジェクションマッピングは、大規模でコストがかかる演出というイメージを持たれることが多くあります。
確かに、大型建造物への投影などは大規模な準備が必要になります。
しかし実際には、投影対象や空間条件に合わせて設計することで、既存の会場や限られた設備でも実施することが可能です。
本案件では、新たに専用のスクリーンや設備を設置することなく、帆や天井といった既存の会場構造を活かして演出を成立させました。
プロジェクションマッピングは「特別なもの」ではなく、「設計次第で実現できる演出」の一つです。
「自社のイベントでは難しいのではないか」と感じる場合でも、条件に合わせた形で実現できるケースは少なくありません。
現場で求められたのは、設計力だけでなく調整力
イベントの現場では、事前にすべてを決めきることはできません。
天候や会場条件、時間制約など、その場で判断が求められる場面も多くあります。
今回のように、投影面の変更や機材の移設、見え方の調整を短時間で行いながら演出を成立させるには、設計力だけでなく現場での判断力と調整力が不可欠です。
私たち電音エンジニアリングが常に大切にしているのは、お客様の「やりたいを叶える」というゴールから逆算して、最適な形を設計することです。
「スクリーンではない場所に投影したい」
「雨天時も演出を止めたくない」
「限られた条件の中でも空間を魅力的に見せたい」
そうしたご相談に対して、実現方法を一緒に考え、形にしていくことが可能です。
このようなお悩みはありませんか?
・会場の特徴を活かした印象的な演出を取り入れたい
・来場者の記憶に残るような空間演出を行いたい
・限られた条件の中でも、演出の幅を広げたい
・音響・照明・映像をまとめて相談したい
「この会場では難しいかもしれない」
そう感じた段階でも、ぜひ一度ご相談ください。
電音エンジニアリングでは、空間条件やイベント内容に応じて、実現可能な方法をゼロから設計し、最適な空間演出をご提案します。