とあるビルの6階に位置するバンケット。
100名規模の披露宴会場となる広さですが、天井高は7m以上ある開放感のある会場です。
大きなスクリーンを天井から吊りたいんだけど…
承知しました。お任せください!
担当者からの要望を受け、早速設計に取り掛かりました。
そこで、特注品を依頼することにしました。
大型スクリーンの場合、メーカーに特注を依頼することは珍しくありません。
しかし今回課題となったことは、スクリーンの”搬入方法”についてでした。
基本的にスクリーンは、巻きあげられた状態で梱包されて会場に届きます。
このスクリーンをいかに宴会場内に入れるかで、非常に頭を悩ませました。
エレベーターで運べたら良いんだけど…
まずはビルのエレベーターに乗せられないか、サイズを確認しますが8人乗りの小型サイズ。到底スクリーンは入りません。
続いて非常階段を考えましたが、スクリーンが長くどのルートを通っても曲がりきれない場所があり、こちらもサイズ的に不可能であることが判明しました。
クレーンを使うしかないか…
中からが無理なら外から。続いてクレーンを使用して吊りあげ、窓から搬入する方法を考えました。
しかし、クレーンを用意する高額な費用が懸念されたことと道路の使用許可の問題上、難しいという結論に至りました。
通常の特注スクリーンは生産工場で大きなサイズに組み合わされますが、
今回は組み合わされた状態ではどうしても搬入が出来ないため、異例の対応です。
ただし、最適な環境で作業台や使える治具に制限があるため、スクリーンの“たわみ”が大きくなるリスクもあります。そこは事前にお客様やメーカーとしっかり協議し、リスクを最小限に抑えるよう、慎重に進めました。
さらにバンケット内ではAV機器の取り付けだけではなく、内装工事も同時に行っていました。
他の工事業者とどこでスクリーンを広げて工事を行うか等、場所やタイミングを調整しました。(これが結構大変でした…)
工事をしていると、そのホコリや木くずがバンケット内に舞っています。
それらの影響よって、幕布を貼り付けるための糊が弱まってしまったり、白いスクリーンが汚れてしまう恐れもあります。
理想は誰も作業していない中、スクリーンを広げること。しかし内装工事のスケジュール上、そんなことは出来ません…。
出来る限り広いスペースを使わせてください!お願いします!!
工事の職人さんに頼み込み、スクリーンを広げて作業のできる場所を確保するだけで精一杯でした。
各所への調整を終えて、いよいよ実際に製作・取付に移ります。
まずはスクリーンを折りたたんだ状態で搬入します。
そこから幕布も広げ、糊付→貼り付けを行い無事にスクリーンが完成!
続いて天井へ吊るすため、7m近く持ち上げていきます。高所作業用の足場を、一つ一つ持ち上げていきました。
スクリーンを傷つけないよう細心の注意を払いながら、丸一日で無事に工事が終了しました!
スクリーンの完成後も内装工事が行われていたこともあり、木くずやほこりがスクリーン本体やボックスに…
ハケを使ってキレイな状態を維持するよう頑張りました。
長いっ…!
バンケット担当者の第一声は、幕布の長さに驚く声でした。
しかしその後、用意した映像を投影すると…
思った以上の迫力だ…
このサイズにして良かったよ!
実際に映像を見た担当者からは、大きくなって迫力を増したスクリーンの映像に満足と喜びの声があがりました。
電音エンジニアリングの営業・工事担当にとっては、準備や設置に課題があって大変ではありましたが、その分思い入れの強い場所となりました。
お客様にも喜んでもらうことができ、本当に良かったです!
後方の席からでもはっきりと映像を見られるよう、今より大きなスクリーンに入れ替えたい
お客様の持込み映像に対応するため、スクリーンの比率を<3:4>から<16:9>にしたい
スクリーンに関するお困りごとは、電音エンジニアリングにお任せください!